Umeko Cup 2023 結果報告&感想

 


広報です!時系列が入れ替わってしまいましたが、今回は9月末に行われた、格式高いNA最後の1年生最強決定戦である、Umeko Cupの大会結果報告&感想文です!

感想は1年生のKei Kashiokaさんにいただきました!ぜひお読みください!


大会概要

【大会趣旨】

①日本で最も歴史ある1年生ディベーター最強決定戦:各大学が最大2チーム / 4名の代表者を選出し、大学対抗で新入生最強の称号を競うNA styleの新人戦


②日本ディベート界の将来を支える新人ディベーターが全国から集結:様々な地方の大学や、大学で初めてディベートに出会った未経験者が自大学の代表として最強決定戦に参加できる環境を提供する


【形式】

North American Style 


【日程】

9月30日(土)、10月1日(日)


【会場】

津田塾大学小平キャンパス

UTDS Prizes

【The 29th Umeko Cup結果報告】


皆様、お仕事・学業お疲れ様です。

9/30-10/1に行われましたThe 29th Umeko Cupの結果報告になります。


【Team Prize】

[Open Semifinalist]

▶Tokyo in your area (Riho Takahashi, Seiichiro Tsutagawa)[Breaking 1st]


[Open Quarterfinalist]

▶Tokyo Debateland (Kei Kashioka, Riko Mimura)[Breaking 6th]



【Speaker Prize】

[Open Best Speaker]

▶Seiichiro Tsutagawa


[Open 2nd Best Speaker]

▶Riho Takahashi 


[Best Reply Speaker]

▶Riho Takahashi



【Adjudicator Prize】

[Best Adjudicator]

▶Takeshi Matsuda


[4th Best Adjudicator]

▶Yuriko Hirai 



【Adjudication Core】

[Chief Adjudicator]

▶Nasa Tsuchiya 



【Organizing Committee】

▶Satoshi Inoue (Tab)


大会感想 by Kei Kashiokaさん

UTDS1年の柏岡です。今回 29th Umeko Cupに出場しブログを書かせて頂きます。一緒に出場した4人の中でも弱い方の人なので、来年やこれから出場する方の参考になるか怪しいですが、梅子杯で経験してきたことをできるだけ伝えることができたら嬉しいです。

一応自己紹介をさせていただくと、理科一類、神奈川県出身です。高校の頃から英語ディベートをしていましたが、UTDS同期の高校からの経験者の前では、経験者とは名乗れないほどの実力です。


・トライアウトについて

梅子杯は一年生最強決定戦と言われているだけあって、強い人達はみんな応募するのかと思い、落ちるのを覚悟していました。自分は、他大学のすごい先輩方にスピーチを見ていただき、フィードバックをもらえる機会だと考え、自分の現段階の実力を図るために応募しました。今年は倍率1.5倍で去年と比べると低く、もしかしたら自分も梅子杯に出場できるのではと思い、トライアウトに備えてスピーチ練習をしました。トライアウトの内容自体は去年と同じで、PMスピーチ2回とLOスピーチ1回でした。幸いトライアウトを突破することができ、同じrookie枠の人と組みました。直近の大会(wakaba,icho)で1stをやっていたこと、ペアがよく2ndをやっているのを見ていたこともあり、自分は1stをすることにしました。


・当日まで

ペアが忙しいこともあって、実際に練習を始めたのはUTDS夏合宿後で梅子杯の2週間前くらいでした。夏合宿で仲良くなったこともあり、その後の練習ではお互い言いたいことを言えるようになったので、その後の練習では試合練習の後、毎回1,2時間くらい反省会をして次の練習でそれを生かすこともでき、チームとしての練度は二週間で跳ね上がったと思います。直前は、梅子杯で実際にsemi finalまで進んだ方々と練習していたこともあり、負け続けて当日となりました。(練習に付き合っていただいた他大学の方々、先輩ありがとうございました。)


・1日目

会場につくと、他の大会でよくブレイクしている人が何人もいて、今までの大会で1勝するのと梅子杯で1勝するのは難しさが違うのだろうと実感しました。チームとしてopen breakを目標にしていたので、3勝しなければいけないというプレッシャーが自分が思っていた以上に当日になって降ってきました。


ここからは各ラウンドの内容を書いていこうと思います。

R1 THS a worldwide ban on the production of animal meat products.(Opp win)

普段はプレパの最初の3分は個人で考える時間にしてたのですが、お互い似たmotionをやったことがあり、すぐにGovから動物の権利の話が出ると予想しました。その一方、Oppは何をいうべきかわからず、残り10分ほどで、代用品(大豆ミートなど)は現状高価で貧困層が栄養失調になったり、金銭的負担が大きくなる話を思いつき、そのままargumentにしました。実際にGovから来た話は環境保全の話でした。予測してなくて試合中に対応を始めなければいけなかったのですが、Oppからは肉の生産工場をなくすことがuniquelyに環境保全に大事な理由がないことを推して、ジャッジにそこをとってもらえました。またペアがMOで肉産業に関わる人たちが失業することを説明し、自分たちのargumentを強めることができたこともあり、しっかりと勝つことができました。


R2 THR the rise of cosmetic surgery treatments targeting minors.(Opp win)

対戦相手はWAD reunion(今大会優勝チーム)でした。以前から強いと聞いていたので、負けると確信していました。前日にnarrative系のmotionを練習し、先輩に対応の仕方を教えてもらった一方、昼食後で前日ほとんど寝てないこともあって、プレパ中ほとんど脳が死んでました。その上、cosmetic surgeryや化粧について疎いこともあって、ペアが女子としての実体験を使ってイラストしてくれたり、運よく夏休み中に化粧について調べていたらしく、すごく助かりました。この試合に関しては自分は何もしてないと言っても過言じゃないです。試合の内容を振り返ると、Govからは①cosmetic surgeryが高価で金持ちしか使えないため、他の人にとってmental  harmである②失敗した時のリスクの話が出てきて、Oppからは①化粧品も、金持ちは高級なものを使うからcosmetic surgeryと変わらない②cosmetic surgeryの人気が高まることで、未成年にも安全な店や質の高い店の情報が流通して、安全にcosmetic surgeryを受けられることを出しました。お互いの話が綺麗にぶつかり合って、どっちの点でも優っていたおかげで勝つことができました。ペアに感謝です。Feedbackで言われましたが、未成年はそもそも高価な整形を受ける金を持っていないので、二重整形などの安く済むリスクのないものしかしないし、企業側もリスクのないものをお勧めすることを言えば、Govのargumentにより綺麗に対応できたはずです。


R3 THBT the LGBTQ movement should actively portray “coming out” stories in a positive way.(Gov win)

ここまでで2勝しているということで、open breakがかかった3試合目です。とても緊張しました。LGBTQ movementの話で、ここまでの2つのmotionと比較してプレパのしやすいmotionでした。Govからは①portray in a positive wayを説明した上で、coming outすることで本当の自分を隠す必要がなくなり、好きなように生きることができる②Oppが差別の話を出すことを想定して、ある程度liberalな人がいる地域では自分を気遣ってくれる人がいるから、差別が深刻なものではないという話を出しました。Oppからは差別が深刻である話が出ました。結果的にGovの②で話した内容で差別があったとしても、coming outした方が本人たちにとっても幸せであると判断してもらい、勝つことができました。ここまでで3勝できたので、open break確定となり目標は達成できました。ただRFDでジャッジの方がportray in a positive wayによってLGBTQの人たちがcoming outした時、そのchoiceはrationalかirrational(forced)なのかのという一番大事な議論が抜けていると言われ、完全にペアと一緒に完全に自信を失いました。この状態のままR4になりました。


R4 THP an “anonymous candidate system” of voting.(Gov lose)

アロケが出る前から先輩方に言われていたのですが、この時点で3勝しているチームがUTDSの2チームだけだったので、R4はUTDS対決でした。この大会で一番当たりたくない相手(open best/2nd best speaker)でした。相手のチームの人とはicho cupで組んで間近で強さを実感した方なので、あまり、今の精神状況では戦いたくなかったです。ペアとは負けるかもしれないけど、全力でやろうとお互い励まし合っていました。試合の内容を振り返ると、Govからは①多くの票が入っている政策について議論する責任が発生する②それにより、国民の希望がより政治に反映されることを出し、Oppからは①経験や信頼のある政治家の方が政策を実行する能力があることが出ていました。そこまで議論を深く追えてないのでわからないですが、主に敗因は政治家の能力より、国民の希望の反映が優先されるべき理由(=自分たちのargumentのimpact)が言えてなかったことだと思います。


break announcememtは、先輩にご飯に誘ってもらえたこともあって、先輩・同期とファミレスで見ました。3勝していたのでopen breakをしていることはわかっていましたが、3勝のチームの中でスピポイが圧倒的に低くて、実力不足を実感しました。また、QFの相手が筑波のチームとわかり、直前に練習させてもらったこともあって強いことは知っていたのでペアとは負けるかもしれないけど本気は出し切ろうと話していました。


・2日目

QFで筑波と当たることもあって、試合前は緊張していましたが、ここで大問題が発生しました。open breakしていた2チームがレジの時間に間に合わず、どのチームでも先にきた2チームがQFに出ることができるようになりました。結果的には自分たちの対戦相手は変わらず筑波でしたが、みんなが徒競走と呼んでいるのを聞いて笑っていたら結構緊張もなくなってきたのでよかったです。


QF TH, as Aboriginal Australians, Prefer significant government support for accessing mainstream higher education as opposed to support for indigenous schools.(Gov lose)

Govが犯した最大のミスはinfo slideをしっかり読まなかったことです。indigenous schoolが何かを間違って考えていたので、自分たちが完全に勘違いして話してしまっていました。試合の内容を振り返ると、GovからはGov paradigmでは比較的に差別が減り、アボリジニの人へのサポート自体も充実するようになる(アボリジニの人が他の人と同じ空間で生活していることを前提にしてしまっていました)ことを出しました。Oppからはclosed communityで自分たちの文化の大切さを学び、アイデンティティを創造することが大事であるという話が出てました。敗因はR4と同じで自分たちのargumentをimpactまで落とし込めてなかったからでした。今回だったら、今アボリジニの人に何が足りてなくて、何を求めているかを説明することが必要でした。


SF

観戦した試合の流れを書いておこうと思います。Govからは企業の方がcapacityがあるため、雇用創出やインフラ整備が進むこと、Oppからは企業が①profit seekerだから労働者を搾取するだけだという話②発展途上国自体の技術が進歩しないから、長期的に悪影響であることが出ていました。OppがMOで出した、企業も全く発展してない土地を買うincentiveがなく、比較的発展が進んでいる土地を買おうとするという話がGovのargumentに刺さったことで、Oppが勝ちました。この試合からは2つ学んだことがあって、一つは自分が戦う場所を自分たちが有利になるように自分で決定すること。特に相手サイドの一番強いと予測できるargumentに対して考えることです。二つ目は、Gov replyはMOからでた新しい話、特に強い話はしっかりresponseしなければいけないことです。ジャッジをしていた方に後で聞きに行ったところ、MOが出した話へのresponse( 例えば、比較的発展が進んだ土地は国も売ろうとしない)をしっかりできていれば、Govにvoteを入れていたらしいです。


GF TH, as  environmentalists, Prefer to adopt a “cooperative approach” toward corporations as opposed to an “antagonistic approach”.

詳しく試合の内容を追えていなかったので詳しい内容は書けないですが、スピーチを聞いていて、登場するactor(今回ならleader of corporation, stockholder, environmentalist, general publicなど)をしっかり分析して、それぞれのactorのincentiveの変化,capacityなどを考えることが大事であることを実感しました。


・終わりに

自分たちは、目標としていたopen breakを達成したこと、負けた相手がペアと一緒に応援していたUTDSと筑波ということもあって満足のいく大会になりました。反省点は、自分のargumentをimpactまで落とし込めなかったことです。自分の癖だと思うのですが、likelihoodにプレパ時間を使いすぎて、SQの分析やimpactを詰めることができてないことが多いので、ここからよりプレパ時間の少なくなるBPをやっていく上で気をつけて行きたいです。梅子杯に来年以降出場する強い方々がこんなミスをするかはわからないですが、初心者ならよくあることだとは思うので、参考にしてもらえると嬉しいです。

また、これを読んでいて梅子杯に出場しようかだったり、トライアウトに参加しようか悩んでいる人がいたらぜひ参加してください!失敗したからといって、特に失うものはないですし、次への大きな反省ができる機会になると思います。また梅子杯では他校の強い方々と交流できることもあって、とても楽しいです!個人的に、この大会のおかげでディベート界隈の暖かさや、自分に足りないものを実感できて、次の大会へのモチベーションがすごい沸きました。

最後になりますが、コミ、ジャッジ、ディベーターの皆様、ありがとうございました!特に直前の1週間に練習に付き合ってくれた方々、前日に夜遅くまでジャッジをしてくれたUTDSの先輩方、本当にありがとうございました!

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