若葉杯2022 感想・結果報告
みなさんこんにちは!ブログ担当の長尾です。
今回はWakaba Cup2022の感想と結果報告を読んでいただきたいと思います。
とても素敵な感想やユニークで文才溢れる感想も寄稿されました!お見逃しなく!
【目次】
- 大会概要
- UTDS出場チーム
- UTDS結果報告
- 出場者感想(田島さん、藤川さん)
【大会概要】
- 開催日程 2022年7月2日(Sat)
- 大会形式 NAstyle 4Rounds(初!)
【UTDS出場チーム】(joint含む)
- 乃木高等女学校 Yuriko Hirai, joint
- 千キロ離れたjointなんてきっと世間の語り種 Masahiro Yamada, joint
- UJK A Miki Ihira, joint
- NYUAD Aとして出たいところだがまだ入部/入学してないし大会のネーミング規制に引っ掛かるからとりあえず橋本龍之介C
- 葉っぱ Takezo Kikuchi, Karin Hirano
- Tovarishchi Taiki Tsuchiya, Yuki Yamashita
- Voting issueにならなくてもいいもともと特別なargument Satoshi Inoue, Daisuke Fujikawa
- 棚から優上 Yuna Nakatsuru, Mariko Kawabata
- 明日は明日の風が吹く Yutaka Hashiguchi, Haruta Ishiguro
- えるちゃんりんちゃん Rena Tajima, Rio Yagi
- German nerd Yuta Shima, Shiyo Ra
- 隣の芝は青い Keita Igarashi, Ryoma Ishida
【🏆UTDS Prize🏆】
Prize 獲得された方おめでとうございます🎉✨
◎Team Prize
Altair 2nd Best Team/葉っぱ(Karin Hirano, Takezo Kikuchi)
Altair 3rd Best Team/棚から優上 (Yuna Nakatsuru, Mariko Kawabata)
Vega Best Team/乃木高等女学校 (Yuriko Hirai, joint)
Vega 2nd Best Team/Voting issueにならなくてもいいもともと特別なargument (Satoshi Inoue, Daisuke Fujikawa)
Vega 3rd Best Team/NYUADAとして出たいところだがまだ入部/入部してないのでとりあえず橋本龍之介C(Ema Higaki, joint)
◎Speaker Prize
Altair Best Speaker / Mariko Kawabata Deneb Best Speaker / Rena Tajima
Deneb 6th Best Speaker / Takezo Kikuchi
Deneb 9th Best Speaker / Rio Yagi Deneb 10th Best Speaker / Karin Hirano Vega 2nd Best Speaker / Yuriko Hirai Vega 3rd Best Speaker / Daisuke Fujikawa Vega 4th Best Speaker / Satoshi Inoue Vega 6th Best Speaker / Yuki Yamashita Vega 9th Best Speaker / Taiki Tsuchiya Vega 10th Best Speaker / Ema Higaki
【大会感想】
今回はお二方に感想をお寄せいただきました!
Deneb Best Speaker に輝かれた田島怜奈さんと、Vega 3rd Best Speaker に輝かれた藤川大輔さんです。
2人の魅力溢れる感想を是非ご覧ください📚
- 田島怜奈さん
UTDS1年生の田島怜奈と申します。実は大学院の1年生です。今回は先月行われた若葉杯の感想をご紹介できたらと思います。
<大会前の練習について>
今回ペアになったのは同じくUTDS1年女子のりおちゃんでした。
私は高校時代に準備型の経験者(高校時代と言いつつ4年も前ですね)、りおちゃんは未経験ということで、当初から勝ちにこだわるよりかはお互いに勉強しよう!というモチベで大会に向けた練習をしていました。
大会の2週間前から駒場練、チームでのプレパ練を行いました。大会前日になってようやく、お互いのスタイルやできること・できないことを明確につかめたように思います。ちなみに、ポジションはGOVの場合はPMとRPMはりおちゃん、OPPの場合は逆に私、のようなかんじで、余りポジションに特化した練習はしていませんでした。反対に、立論・反論の共有やプレパ中の分業などはきっちり練習できたかなと思います。
追記:とにかくりおちゃんがいい子で、変則的な生活をしている私の唐突な練習ドタキャンにも柔軟に対応してくれたこと、本当に感謝の気持ちで一杯です。
<大会当日について>
大会自体はオンラインでしたが、ラウンド中の意思疎通のために二人で集まって大会に参加しました。朝めっちゃ早くて絶対3ラウンド目以降頭働かないなと思ったのですが、大会中はアドレナリンどばどば出てたのか全然平気でした。実は対面で会ったのが大会当日で2回目とかだったので、ちょっとお互いに緊張してた(かも)ですが、ラウンドを経るごとにプチ恋バナとかして仲良くなれたかなと思います。
各ラウンドの話ぶっちゃけよく覚えてない(メモは残ってますが断片的過ぎて絶対齟齬がある)ので、全体の手ごたえ感について書きます。
ーレベル感としては、私たちのチームと同じように「勉強させてもらってます」スタンスのチームも多いように見受けました。もちろん全勝目指してるチームもあって、そういうチームは英語も内容も圧倒的なんですが、本当に一握りです。むしろ、英語もたどたどしいけど内容考えて頑張って意思疎通してます!!みたいなチームの方が全体の割合としては多い、、?とか思ってました。
ーモーションの難易度は、個人的にはちょうど良かったです。過去問練習していたので、そこまで大きな違和感(全然アーギュメント思いつかない事案)もありませんでした。
ーむしろジャッジの先輩からのフィードバックをもらうときがやや大変でした。debate jargonをよく知らないので、途中で「まって今めっちゃロストしてるわ自分」みたいなタイミングが何回かありました。個人FBの時にめっちゃ聞いてました。また、先輩ディベーターもいろんな人がいて、ツイッターとか先輩の話によく出てくる方がジャッジに入ってくださった時は緊張で手が震えました。(でもリフレクのときめっちゃ優しくて感動しました。)
ー全体的に1年生同士仲良くなろう!の意識があって、他大のディベーターたちとお話しできる機会がたくさんありました。ラウンド後に練習方法を教えあったり、先輩との距離感どうですか~?みたいな話をしたり、、
個人的に、ミュージカルhamiltonを生でみたよ!!というKDSの1年生とお話しできたのはアツかったです。Hamiltonめっちゃ好きなので。
<振り返りについて>
大会を通していろんなFBを得ることができました。
自分ではイケてると思った立論があんまり刺さってなかったり、この反論ちょっと時間使いすぎた、、、?と思った話がジャッジから「評決の決め手になった」くらいのお褒めの言葉を頂いたり。個人練習や部内の1年生練習だけでは得られない視点がたくさんありました。また、実際に大会の空気の中でディベートをすると、今まで自分の強み・弱みと思っていたことが、実はちょっと違った、なんてことも分かりました。自分をより客観的に見るためのいい機会だったと思います。
また、チームメイトとの協力プレイの楽しさを感じることができた大会だったと思います。お互いにEFLでもないし、ディベートに必要な知識は多くない状態でありながらも、一緒にスタイルを模索していたおかげか、大会中には「あれ?なんかペアのりおちゃんすごくうまくなってない、、?」みたいな瞬間が何度もありました。私自身も、スピーチ時間内に言い切れる情報量が増えていることを実感していました。ペア結成当初は、いかに自分がチームを支えるか、みたいな独りよがりな思考でいたのですが、当日のラウンドでは、「りおちゃんにこれ任せられるから、私はここ集中する!」みたいに、りおちゃんに背中を預けるような戦い方ができたと思っています。
一つだけ後悔があるとすれば、自分たちの個人スコアのカテゴリー間違えて登録したことです。お互いEFLじゃないのですが、(主に私がちゃんと説明読んでなかったので)、二人ともEFLを含めたカテゴリーになっていたようです。特に、ペアのりおちゃんは個人スコアが未経験者+非EFLの中ではめちゃめちゃ高かったのに、EFL部門で評価されてしまって入賞順位が下の方になってしまいました。(本当にごめん、りおちゃん。。)
しかしながら、それでも入賞してたので十分すごいです。
長くなりましたが、もし一年生で若葉杯に出ようか迷ってる人は、ぜひ参考にしてみてください。
最後に、大会運営に携わってくださった先輩方をはじめとする、有意義な大会となるよう尽力して頂いた関係者の皆様に深く感謝し、感想文を締めたいと思います。
- 藤川大輔さん
早くもグダる様に暑い7月2日、僕の1日は、井の頭線の各停の中でRound 1(1試合目)の論題を知るところから始まった。
「これのGov.、、、マイノリティ、の話、かな?」
一刻の猶予もない。アクターやポイントを考えながら、駅の階段を駆け上がり駆け下り、ジリジリと照るアスファルトを恨みながら坂をまた駆け上がる。
汗と吐く息を混じらせながら、なんとか試合会場に着く。2階への階段の先の和室に、彼、井上聡士君はパソコンの前に、まさに一人ポツンと座っていた。
僕、藤川大輔は、どこにでもいる怠惰な大学生だ。大学は人生の夏休みと聞いていたのに、思ったより課題も試験も重くて困っている。おまけにちょっとばっかし英語が得意で、運もツイていたがばっかりに、「よっ、東大生」なんて羨望と期待と少しの嫉みの混じった呼び名で呼ばれることになってしまったなんて、もはや一周回ってちょっとウケる。
ディべ―トは高校からやっていて、好きだが、得意というほどではない。特にこの大学は、何をしても遥か上の人がいるから、僕のような凡人が「得意です」と胸を張って言えるものなど、はなからあるはずがないんだ。あ、でも、自慢じゃないけど、絶起は得意かな。友人にノートをもらいまくっている。
あの日も、そんな朝だった。絶起はしなかったものの最寄りで1本湘南新宿ラインを逃し、まあまだ間に合うさと次の横須賀線に乗る。渋谷で京王井の頭に乗る。慣れた手順だ。だが、その慣れから、歯車は狂った。
「次は、下北沢〜」
あれ、これ急行だ。会場の住区センターのある駒場東大前には、各停しか停まらない。東大生なら学長の名前よりも当たり前のことだ。
慌ててディベートのペアの井上君(以下はん)にLINEを送る。ごめん、ぎりぎりになりそう。既読はない。
下北沢のホーム。どうやら反対側が折り返し電車のようだ。しかも2分で来る。助かった、、、これに乗ればなんとか試合前には、、、
「次は、渋谷、渋谷〜」
人生で数千回目のことだが、僕は己の愚かさを呪った。またしても過ぎ去る駒場。2度目の急行に乗った僕は、無事渋谷への帰還を果たした。
この出来損ないのポンコツが仮にも日本一とされる大学に数ヶ月前に合格したなんて、採点ミスか悪い夢か、もしくはその両方だろう。
はんにありったけの土下座マークを送りつけ、指差し確認で今度こそ各停
に乗る。だが、アロケ(組み合わせ表)に続き、無情にも論題が出た。
R1: This House Would ban extremist political parties.
「過激な政党を禁止すべきである」
This Houseとは、議会のことだ。興味を持った方は「英語ディベート TH」とかでググってほしい。が、まあ気にしなくていい。
我々はGovernment.(略してGov.)、肯定側だ。「過激な政党なんていかん!!解散させろ!!」という側である。
過激な政党、、近年で言えば極右政党inヨーロッパ、議事堂襲撃したトランプ支持者も政党ではないが過激だったな、日本にも、、、
と、考えがまとまらないうちに、駒場東大前でドアが開く。住区センターで待つはんのもとへ猪突猛進、駆け抜ける必要があった裏には、こんな人間物語、じゃなくておバカな末端東大生の日常があったのである。
20分あったプレパ(プレパレーション、ディベートの準備の時間)は残り10分少々だろうか。大きなタイムロスだ。だが、顔を合わせたはんと僕の大筋の見解は、すぐに一致した。
「マイノリティの話だよね」
社会で抑圧される場面の多いマイノリティにとってどちらの世界の方が住みやすいのか、というのは、多くのディベートで争点になる。今回も、「過激な政党の言動で被害を被りやすいのは立場の弱いマイノリティ。この人たちを守ろう!!」という方針は割とすぐ立った。
となればとにかく、メカニズムを詰める。メカニズムとは、自分達の論理が正しいことを示す論拠、主張と主張を論理的につなぐ柱のようなものだ。(説明下手すぎるので調べてください...)論理を評価されるディベートにおいてメカニズムはとにかく大事で、しっかりメカニズムを詰め切って勝つ、というのは僕のテーマの1つでもあった。
はんと、「過激な政党がどうマイノリティを苦しめるのか」「それがなぜそんなにヤバいのか、どのくらい起こりやすいのか」「政党でなくなれば問題は解決するのか」といった点について、意見を出し合う。
例えば、1つ目の「どうマイノリティを苦しめるのか」なら、マイノリティをスケープゴートして、失業でも犯罪でもなんでも移民や少数民族のせいにする人っているよね、という話ができた。
時計の針が異様に早く進む。時間がない。が、何度もペアで練習を重ねてきた。焦ることはない、そう自分に言い聞かせる。
まず1人目のはんのスピーチ。安定のクオリティ。時間が足りなかった中、プレパで話したことはもちろん、そんな分析も思いついてたのか、というような驚きも混ぜ込んで、きっちり7分15秒に収めてくる。彼に続く2ndとしては最高の舞台だ。こんなペアと組めるのは、ディベーター冥利に尽きる。
3,2,1,僕のスピーチが始まる。誰がなんと言おうと僕が主役の、僕が世界で一番好きな7分15秒が始まる。
試合後のジャッジフィードバック。
反省点が多かった。何をもってextremeとするのか、という否定側の想定できたはずの主張に対応しきれていないし、政党だと、バラバラになった個人の過激派よりもどれだけ悪いのか、という点も、頑張ったが示しきれていなかった。試合によっては致命的になりかねない失敗だ。
だが、結果は、勝ち。
2人で詰めたメカニズムが評価された。何年やってもこの瞬間は飛び上がるほど嬉しいものだが、一応対面大会の癖が残っているのか、相手に見えないくらいに2人で控えめにガッツポーズ。やった。
この後、我々「voting issueにならなくてもいいもともと特別なargument」は、運よく4戦4勝とし、2位に入ることができた。(voting issue=試合を決める一番重要な論、argument=論)
ここまできたら1位になりたかったというのもあるが、個人ポイントでも格上の人たちを上回れたことを考えれば、なかなかの出来といっていいだろう。 (個人ポイント、藤川3位、井上4位タイ)まだまだ精進すべき点は多いが、一つのマイルストーンに来ることができた、というのが、この大会の感想である。
この振り返りは、「引き受けてしまったものの、筆が進まない、誰をターゲットに、何を書けば喜んでもらえるだろうか、、、」と、売れない作家の悩みのような状態からスタートした。それならいっそエッセイ風にしてみよう、全ラウンドを時系列に並べるのもいいが、それは既にたくさんあるし、どなたか存じ上げないけどもう1人いるらしい執筆者もやってくれるだろう!という予想と無責任な期待を込めて(ごめん...)、この形になんとかまとめることができた。なんとか「ディベートに興味をもってくれたあなた」「これからディベートを始めようかなと思っているあなた」の手元に届き、「ディベートって、特別難しくてとっつきにくいことじゃないんだ!」「こんな間抜けでもやれるなら、自分も挑戦してみようかな!」という気づきにつながってくれれば、筆者望外の喜びである。(筆者望外の喜びである、ってちょっと言ってみたかった顔)最後になったが、優勝チームおめでとう。この上ない時間を提供しくれた井上聡士君、UTDSの先輩方、こんな駄文を最後まで読んでくれたみなさん、ありがとう。
お二方とも、魅力溢れる感想をありがとうございました!
最後まで記事を読んでいただきありがとうございます。また次回もお楽しみください✨
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