ワールド体験記 その6

犬束です。

今回はR6です。

Motion: THW criminalise adultery.

1位 Opening Opposition HKUST A(香港)73点,73点
2位 Closing Opposition CARNEGIE MELLON B(カタール)68点,70点
3位 Opening Government UNI OF SPLIT A(クロアチア)63点,65点
4位 Closing Government UNI OF TOKYO A(うち)犬束63点,城谷64点

motionを見た瞬間思ったのは、不倫を犯罪にまでする理由を出すのが難しそうだということ。倫理的に悪いとは言えても、犯罪とまではなぁ、それに、今でも慰謝料とかは払う場合があるし、とも思いました。
うちが考えていたargumentは
①結婚生活においては夫婦相互の協力が必要で、それはお互いの信頼をベースに成り立っているのに、不倫はその信頼を地に落としてしまうものであり、結婚生活の妨げになる。自分を信頼しているパートナーを裏切ること自体が倫理的に悪であるうえに、結婚が相互の契約であるという性質を考えると、相手の同意なしに契約を破るという行為は法律的に見ても悪であるから、犯罪に値する。
②不倫をすると、もし子供などがいた場合、子供に対する悪影響が大きい。
③不倫の抑止力になる
というところです。

PMが提示した定義は、政府高官などが不倫した場合に犯罪にするというもので、かなりsoft caseでした。この定義を出された時点で、①を説明してもじゃあなぜ政府高官だけなのかというuniquenessが出せない、②はtargetが小さすぎる、③は政府高官だけという定義の上ではでは成り立ちそうにないと考えて、果たしてどうしたものか…、と思ってしまいました。PMが出していたargumentは、政府高官というのは責任ある地位の人であり、もし不倫などすると信頼性がなるなるから駄目だという感じでした。

LOは、そのような高い地位にある人は、不倫などの反社会的な行為に手を染めた場合は国民の批判を浴びるから、犯罪にしなくてもそれ相応の懲罰を受けるので問題ないという反論をしていました。argumentはfreedom of choiceで、不倫をしても他の人々への直接的な危害はないのだから、個人の選択の自由を尊重するべきだという感じでした。

DPMの議論は、自分たちが出すextensionをパートナーと話して考えていて、メモを取りながら聞いていたわけではなかったので、何を言っていたかあまり覚えていませんが、確か政府高官が不倫をしてpunishされているのを見れば、国民もだんだん不倫をするのをやめるようになる、という感じだった覚えがあります。

principleの話をしても、どうも政府高官に限るというuniquenessを出すのが難しいと考えたことと、パートナーが数年前に日本人の官僚が中国人のスパイに不倫関係に持ち込まれて、情報流出してしまった事件があったという話をしていたので、そういう話をしようということになりました。

DLOは、不倫というのは社会全体の問題だとGovは言っているのに、政治家だけに限るのはおかしいということに触れていました。出していたargumentは、どちらかが不倫をしてしまった夫婦の間では信頼関係が崩れてしまっているが、そこで重要なのはなぜ不倫をしてしまったのかをお互いに話し合って理解することであるのに、不倫をした人を犯罪者として投獄したりするとcommunicationがなくなってそれができなくなってしまう。だから不倫を犯罪にするべきではない、という感じでした。

ぼくがMGで出したextensionは、さっき書いたように、政府高官の人は国家機密などの重要な情報を持っており、現状では政府高官が外国のスパイに不倫関係に持ち込まれてそのような重要な情報が流出する危険性がある。このプランを取ることで、不倫に対する抑止力が働き情報流出の危険がなくなるので、国家にとって良いというものです。あとになってから考え直してみると、やっぱり不倫は悪であるというprincipleを話した方がよかったなぁ…。

MOはなぜか突然、不倫をしないように国民を教育しますというcounterproposalを出してきました。しかも教育の内容などはほとんど説明せず。カタールのチームにはこの大会でけっこう当たりましたが、大体どのチームにもどこかおかしさを感じた所がありました。このチームの場合、なぜCOでcounterproposalを出すのだろうか…、という所だったのですが。
Whipはあまりメモが残っていないので省略します。

ChairはJens Fischerという方でした。まずcaseはtoo softだと言っていましたが、うちのチームを4位にしたのは、出したargumentが不倫との関係性(=motionとの関連性)がなかったというのが一番大きな要因で、副次的な要因としてPOIがなかったことがあると言っていました。CGとして不倫の問題点や、政府としてどのようにその問題に対処するべきかなどのprincipleを説明するべきだったと言っていました。
OOは不倫というmain issueにディベートを持っていけたのでクリアに1位。
COはnew planを出したのは問題だが、このディベートがOpp勝ちのディベートだったので2位だというようなことを言っていたと思います。また、出したplanに教育のmechanismが欠けていたと言っていました。planを出す場合はどうして不倫が起き、どのようなことを教えることでその原因を根絶するのかを説明しないといけないとアドバイスしていました。
他には、precise wordsを使うようにということや、principleにfocusした上で、それがpracticalな部分にどのようにつながるか説明するように、というようなことを言っていました。

というわけで、このラウンドはあまり他の人に内容を晒したくないラウンドの1つでした(-_-;)
敗因は、定義を聞いた時点でこんな定義では無理じゃん…と思って半ばあきらめモードに入ってしまったことだと思います。もちろん積極的に4位になろうと思ったわけではありませんが、勝ってやろうという気持ちはラウンド中消えてしまっていた気がします。もっと対応力をつけて、最後までしぶとくPOIに立ったりするような姿勢を身に付けないとダメだと強く感じました。

次回のR7からは予選最終日、close round(その場ではdecisionが発表されないラウンド)になります。

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