その気高さにトロフィーを。梅子杯感想文、大トリは清水!

 こんにちは。押しも押されもせぬUTDSのアイドル、iTVです。
 あの、路線バスの側面に色々書かれている中に、アイドリングストップってあるじゃないですか。あれを初めて見てから意味を知るまでざっと10年はかかったと思います。その間にポケモ○の数は倍にはなったんじゃないかと。
 同じくらい分からなかったのが、ノンステップバスという表記。当時の僕はnameをナメって読むくらいに英語を全く知らなかったのですが、それでもノンスップバスについては、なぜだかノンスップバスの誤記だという揺るぎない確信があったんですよね。いや、停まってるじゃん、と。停まってるのに堂々とノンストップを謳うな、と。これが不思議で不思議で、僕がバスに酔うようになったのはこの頃だったのかも知れません。


 バス酔いといえば梅子杯。一年前の同じ季節、5限が終わるや否やICUに馳せ参じ、練習に混ぜていただいていたんですが、その折の酔いは酷いものがありました。皆様は是非時間に余裕を持ってバス停にお並び下さい。
 というわけで梅子杯 2017感想文シリーズ、最終回の今回は、UTDSのアイドル枠を私 iTVから継承した者、才媛・清水の登場です。え?2年のアイドル枠はiTVじゃなくて隆之だって?それとも柴田だ?髙田?アルパカ?ogu(以下略) え?1年のアイドルも沖田だって?それとも(以下略)
 ええ、この議論は後ほどゆっくり、ミラノ風ドリアとドリンクバーでも頼みながら続けるとしましょう。


神々しい...眩しすぎる。
僕に葉緑素あったら物凄く光合成捗りそう

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はじめまして、清水七緒です。
梅子杯にTokyoAとして出させていただきました。今回はそのことについて書きます。
始めは、UTDSのブログに載るなんてなんだか恐れ多し、文章を読むと書き手が透けて見えるじゃないですか、その、自己を投影した文章を不特定多数に公開するのが気が進まなかったのですが、きちんと考えを綴れる良い機会だし、来年以降梅子にでる後輩の参考になればいいなと思い書くことを決めました。

梅子に出ようと思ったのは、単純に強くなりたかったからです。強くなるのに、強い人と沢山当たれて沢山エジュケしてもらえる梅子は最適だと思いました。
なんで強くなりたかったかというと、1つは、ある程度強くて勝てないとディベートが楽しくないと思ったから。もう1つは、強くなって大会での結果や後々の後輩へのエジュケという形でUTDSに恩返しがしたかったから、です。いい結果を残したらみんな喜んでくれるし組織をエンパワーできるし、私が先輩方からしていただいたように、自分自身がディベーターとして上手くなって後輩・同輩に良いフィードバックやジャッジをしてあげられるようになりたいって思いました。
このような考えがずっとあったので、トライアウト(梅子杯の部内選抜)の申し込みが始まった時も、周囲が悩みながら各々の価値観で申し込みする・しないを決めていく中、私は迷わず申し込みをしました。

言葉の端々から当ブログを読んでくれていることが伝わってきて
嬉しさを隠せないブログ担当である


トライアウトの結果、陳内くんと同率で2位通過でした。じゃんけんで三勝した方が1位と組むと決めたら私が全部一発で三連勝したので()私のペアはあっさん(浅野広太郎)になりました。彼がめちゃ強いのは知っていたのでどんなディベートが出来るんだろうとワクワクする気持ちがある一方で、4月の自分が想像もしていなかったUTトップペアという立ち位置に気づいたらなっていた戸惑いや恐れ、ちゃんと上手くいくだろうかという不安、早速のしかかるグラファイ圧、などなど、もあってごちゃごちゃしてました。

実際2人で練習を始めてみると、組み始めた頃によくあるトラブルはあったものの概ね普通に進みましたし、全く負けませんでした。不安は拭いきれないものの、TokyoAってこんなものなのかな、って感じでした。

それが崩れたのは、忘れもしない梅子杯8日前。そこそこ上手く行ったと思ったラウンドで負け(今振り返ればその結果は全くもって妥当でした)、表面的な勝利という事実だけに裏打ちされた薄っぺらい自信は瞬く間に消え去りました。そこから底まで転げ落ちるのはあっという間で、そこから3連敗。これがブレイクラウンドだったら、決勝だったら、と思うと、いつもは上達の機会と前向きに捉えられる負けも物凄く恐ろしいものに感じて、ジャッジの先輩方の熱の入った的確な指摘も、的確だからこそ心にグサグサ刺さり、ラウンドが上手くいかない落ち込む→次のラウンドさらに上手くいかない→より一層落ち込む、という負のスパイラルに陥っていました。本当に絶望的で練習にも行きたくなくなって、でも残り時間少ないからどうにかしなきゃという焦りもあり、でもどうすればいいか分からず、すごい泣いてました。

ほんとはそこでパートナーと支え合うのでしょうが、個人的にはこの時期はそれもあんまり上手く出来てなかったと思います。ペアが決まるのが遅かったので早く練習始めなきゃ!と逸るあまり、人間的コミュニケーションをすることなくディベーター的コミュニケーションから始めてしまったせいだと思います。あっさんとは組むまで殆どちゃんと話したことがなく、個人的には少し距離を感じていました。それは彼が完璧過ぎることに起因しているんだと思います。誰にでも分け隔てなく優しく気遣いができ、私のこともきちんと尊重してくれる。その完璧さが彼の心を取り囲んで、私が内部に触れることを阻んでいる気がしていました。だから自分がこんな精神状態になっていても、お互い寄り添ってる感じがなくて、それがより一層辛かったです。

そんな泥沼の中、転機になったのは平本先輩と栗原先輩との休日練でした。「勝ち筋」という分かっているようで分かっていなかった画期的な概念を教わり、闇雲に立論していた私達を導くコンパスを手に入れた気分でした。それ以降は、勝ち筋を固めてそれを共有、それを貫くために必要なことを18分間のスピーチで確実にやることをを徹底し、根拠のある勝ちを積み重ねるようになりました。

パートナーとのコミュニケーションについても、人間的コミュニケーションをきちんととりたい旨を伝え(私の意図したことがどれくらい伝わったのかは分かりませんが)、反省をきちんと共有してコミュニケーションをとることを約束してもらいました。明らかに練習し過ぎだというコンセンサスがあったので、その休日練のあとは無理に練習せずに空きコマに会ってただ喋ったりノンスタイルの動画を観たりして(2人とも大好きだということが判明したので。すごい面白かったです。)コミュニケーションを重視しました。この時間や大会を通じて彼の心のバーが徐々に下がっていくのを感じて、それがすごく嬉しかったです。彼のためにも上手くなろう頑張ろう、そして優勝しよう、そう思っていました。

そんな感じで徐々に調子を取り戻して行き、梅子前日にはいい感じに仕上がってる!と思うまでに回復しました。

東京大学パンフレットの表紙を飾れそう
賢にして華、若々しさの中に王者の風格

いよいよ迎えた大会当日。前日はありえないくらい眠りが浅くてなぜか全身痛くて結構緊張していました。ですが同時によく仕上がってる自信もあったので、あっさんと合わせたシャツ(誰も気づいてくれなかった)を着て気合を入れて津田塾大学にむかいました。

需要あるか分かりませんが、試合の様子もざっくり書いておこうと思います。

R1 Win
THW legalize bestiality(sexual intercourse between a person and an animal.).
ここは水掛けにしようねと話していたところまでこちらが取る完全勝利。
だいたい一試合目は上手くいかないのですが、2人ともスピーカースコア80以上つけたと言ってもらえる好調な滑り出しでした。

R2 Win
TH, as black rights activist, opposes this account.
Info Slide; Yes,You+Racist is a twitter account which names and shames people who alledgedly reported as white spremacists by crowdsorcing their idenfication via Internet. . The account is followed by 400,000 accounts, and resulted in at least one person being fired from his office.
古典と言われていた梅子なのにインフォスライドが出て困惑。その結果スライドのニュアンスを少しミスリードしました。相手がそれ以上に外していたお陰で勝てたという感じで、ひやっとしました。

R3 Unanimous win
THBT “Sharing Culture” does more harm than good for individual’s life.
Info slide: “Sharing Culture” (a culture which encourages the frequent posting of both mundane and intimate details of ones life on social media platforms, and the commenting on and reacting to others posts of this nature)
油断したのと少し疲れたのとで、火力で勝った試合になってしまいました。2人とも思い思いにsharing cultureをディスって終わりました。勝ち筋をちゃんとしようね、って反省しました。

R4 Unanimous win
THBT parents should NOT seek to have savior sibling .
*Info Slide: A saviour sibling is a child who is intentionally designed and born to provide an organ or cell transplant to a sibling with a fatal disease such as leukemia and cancer.”
3度目のインフォスライドにはもはや困惑しませんでした。PMでたてたプリンシプルが最後まで残って勝ちました。学ぶことの多い試合でした。

OF Unanimous win
THBT past colonial states should teach an overwhelmingly negative version of their imperial histories.
完勝でした。もうちょっと良いエグザンプル出せたらよかったなって思いました。

QF Unanimous Win
THBT humanitarian aid does more harm than good in active conflict zones.
比較的な優位をとって勝った感じです。もっとメカニズム詰めたら良かったです。

ここまでは結構ぽんぽん勝っていった気がします。勝敗発表されてもそんなに喜ぶこともなく、「よし、次。」ってどんどん進んでいきました。
セミファイの相手は強敵KDS A。正直、グラファイであたりたかった相手でした。でもこれからやってきたことをいつも通りやれば大丈夫、そう言って臨みました。

SF 3-2 Split Lose
THBT policies that have significant damage to the environment should be subject to a veto by the commitee of scientific experts.
結果、3-2スプリットで負けました。スクリーンから東大の銀杏が散っていったときは、思考が止まりました。意外にも涙は出ませんでした。こんなに呆気なく終わっちゃうのかって頭の中の辛うじて動いていた部分でぼんやり思っていたのを覚えています。暫くは心が麻痺したみたいに何も感じませんでした。グランドファイナルをぼんやんり眺めながら、なくなった1限空きコマ練の代わりにベットで宙を見つめながら、徐々に湧き上がってきたのは、優勝できなかった悔しさ、自分の実力・能力不足に対する不甲斐なさ、パートナーへの申し訳なさ、努力や涙が報われないことへの虚しさ。それと同時に、素晴らしいパートナーに出会えた喜び、信頼関係を築けた幸せ、ここまで一緒にやってこれたことへの感謝、指導してくださって励ましてくださった先輩方への感謝、苦しみを共有しあって耐えた梅子組への感謝。あの日以降止まってしまった心の部分があって、もう何ヶ月もたった今でも未だにこれらの混沌とした感情を整理して簡潔に何かを述べることは出来ません。

あらゆる経験がそうであるように、でもそれ以上に特別に、この経験はこれから歳月を重ねていくにつれ様々な色を帯び光を放つんだと思います。
そんな中でもブログ感想文を書くにあたってこの大会に暫定的な意義を見出すのだとすれば、それは、信頼できる仲間が増えたこと。相談できるパートナーが出来た。結果は残せなかったけど、そこまでの過程こそを評価して褒めてくれる先輩が沢山いることが分かった。応援してくれる仲間も沢山いた。これはこの先積み上がる経験が如何なるものだったとしても私の中で普遍的価値を持ち続けるものだと感じています。もう何度も言っていますが、みなさん本当にありがとうございました。すごくすごく大好きです。


ここまで色々書いてきましたが、正直まだ整理がついていなくてここに書けていない感情もあります。それは、これからも丁寧に向き合い続けて、いつか納得できる答えを見つけられたらいいな、と思っています。だから、とりあえず、今はこれくらいで終わりにしようと思います。最後まで読んでくれて、ありがとうございました。

この写真、構図といい表情といい完璧すぎませんかね



大会中の写真だけだとあまりにイケメンすぎるので
リラックスver.も添えてバランスを。

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 ノンストップバスのような連続更新にてお送りして参りました、シリーズ【梅子杯 2017】、如何でしたでしょうか?
 四者四様の大会模様。それぞれにまっすぐで、それぞれに素敵でしたね。
 さて、次回は更新していないあの大会。何が来るか!そして一月中に引継ぎはできるのか!これからも波乱万丈のUTDSブログを見逃すな!



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