GEMINI

ここ最近全くブログを更新していなかったブロ担の山田です()
無事学科にも内定しいろいろひと段落ついたので更新していきたいと思います!
今回はなんとGEMINI CUPの更新です!八月のQDO、九月の合宿のブログあげてるじゃんと思われるかもしれませんがいろいろあったのです…汗

まずチーム紹介から行きましょう!

[オクラ] 
松尾、石坂、灘

[Independence from Kanan Empire]
井上、張、小宮山

[No pain no gain]
石川、吉岡、朴

[Ignotelligence]
福山、蓮池、山田()

[さしみちゃんとrevenge]
清水、山本、石渡

[The イカ東]
外山、表、小塚

[Mimikyu]
三浦、松村、望月


[Team ALY]
山田()、伊東joint



そして結果です!
Champion [オクラ]
Quarter finalist [Independence from Kanan Empire]

2nd best speakers 石坂、松尾
4th best speaker 

5th best adjudicator 平本さん

今回の感想は小宮山君と松尾さんから頂きました!
まず小宮山君から!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
UTDS2年の小宮山です。紅葉杯以来書いてなかったので10カ月ぶりの登場です。今回はGemini Cupについて書いてほしいとのことだったので、チーム結成のあたりから色々書こうと思います。

①チーム結成の頃のお話
②大会までのお話
③大会でのお話
④いろいろな人のお話
Gemini Cupのお話

①チーム結成の頃のお話
チームが決まったのは3月の終わりごろ。大会の3カ月くらい前の話だ。僕はふみなとえきじゅうとチームになったが、二人とはあまり組んだことが無かったので不安もあった。
そして決起会。どういう理由だったかは覚えていないがほとんどふみなと二人だった。渋谷のカフェで目標をベスト8に決めて、そのあとチーム名を決めて、で最後ちらっとえきじゅうの顔を見たような気がする。もうだいぶ昔の話なのでうろ覚えだけど。

②大会までのお話
僕らは結構さぼりがちだった。午前中に練習しようとしたら一人しか集まらないこともあったし、雑談で一日終わったこともある。でも、多分今年のUTDSでは一番はじめに動き出して、一番対面で練習して、かつ一番色々な練習法をやったと思う。普通にプレパ練をしたのもあるけど、LINEにスピーチ原稿あげてそれにフィードバックするとか、国際情勢をまとめて共有するとか、今から思うと非効率なものもあったような気はするけど、随分色々やったと思う。最初からそんなに合わない感じもなかったけど、やっていくうちにチームの長所と短所が見えてきたし、みんなで比較的合わせられたのはよかった。
ラウンドはチームとしては普段あんまりできなかったけど、その分空いているメンバーで本郷練に行ったり、JPDU練習会に行ったりした。実際に試合をしてみることで安心材料になることも多かったし、弱点を見つけることもできた。それに、TDOPre-Gemini Cupでだいぶラウンド数はこなせたと思う。一回一回色々なフィードバックをもらって、同じフィードバックをもらうことも多かったけど、最初に比べては大分改善できた。

③大会でのお話
R1 THBT schools should actively rank children based on their achievements and encourage competition. (Opp.)
朝からKDSとの対戦。対戦相手は一年生チームで、JPDU練習会では一応勝っていたのでそれは多少安心材料ではあったが、正直「何で朝一番からあのチームとやらなくてはいけないんだ」という感じだった。実際僕の立論時点ではかなり微妙だったが、この試合はセカンドのふみなが何とか勝ちに持って行ってくれた。感謝。

R2 THW deny broadcasting rights to news channels that consistently fail to meet a minimum truth requirement. (Gov.)
この試合は比較的連携がうまくいった。相手の話もある程度予測できていたので、立論・反論共に割と安定していて、ジャッジの秦泉寺さんからも褒められた。これでブレイクまであと1勝。

R3 THW make tax exemption to religious organizations contingent upon them not discriminating (e.g. refusing to perform religious services, not allowing participation by homosexuals.) (Gov.)
2勝したし、次の相手は強そうだなー」と話していたら、本当にむちゃくちゃ強い相手が来てしまった。超有名なWADの留学生エースとの対戦。僕はGov.の立論だったので直接相手の話に反論することはほぼなかったのだが、相手のエースのスピーチが早すぎて正直ついていけなかった。それでもえきじゅうが懸命に反論してくれて感動していたが、さすがに完敗だった。2勝1敗。

R4 THW shorten the patents of green technologies by large corporations. (Opp.)
「バブルラウンドの相手は誰だろう…」R3の個人リフレクを聞きながら考えているとUTDSの同期が寄ってきた。まさか?と思っていたらそのまさかだった。バブルラウンドにしてUTDS同士の対決。しかも相手は本郷練で嫌な負け方をしたさしみ・やまかつ・石渡のチームだった。
試合は微妙だった。試合自体は優勢だったが、勝ち切れてはいない。3人とも消化不良なまま終わり、そのまま初日は解散した。
そして帰りの電車の中、ブレイクアナウンスがはじまった。結果は僕らが勝っていて8位ブレイク。とりあえず救われたが、UTDS対決の末のブレイクは何ともいえない気分だった。

OF THBT political comedians does more harm than good for democracy. (Opp.)
僕らは8位ブレイクだったので、9位のチームと対戦。そしてその相手は、奇しくも僕が春TR4で負けたKDSのチームだった。もう負けたくなかった。
このスピーチはこのチームで組んで戦った中で一番印象に残っている。別に一番点数が来たとかではないけど、何か僕の中ではお気に入りだ。子供のころから爆笑問題の大ファンで、直前にLast Week Tonightを聞き漁っていた僕にとっては得意なモーションだったし、ブレイクラウンドの方が緊張しないのでそれも良かったのかもしれない。とりあえず楽しかった。
結果は3-0Opp.の勝ち。相手のReplyがうますぎたのでドキドキしていたが、無事リベンジに成功して嬉しかった。

QF THW only subsidize art that is understandable to the average viewer. (Gov.)
再びUTDS勢同士の対決。相手は一位ブレイクで勝ち上がってきた灘とカツオマンゴーのチーム。そもそもの実力差は歴然だし、実際に対戦して勝てる気はしなかったけど、本当に楽しかった。どうせならもうちょっと健闘したかったけど。
ちなみにどんなことを話したかというと…、僕らはunderstandの定義に苦労した末に無理くり予算配分の話に落として、要らない絵画と社会保障の充実のトレードオフに見せようとした。でも、普通に現状どうやって支援が行われているか、そもそも絵を理解するという基準自体はなぜOpp.が話していた少数派への差別と関係ないのかなど、考えるべき点が色々抜けていた。これらを埋めれば勝てたかといわれたら自信はないけど、でももう少しできることはあったような気がする。

GF THR the rise of political correctness. 
R3で負けたWADのチームとQFで負けたUTDSのチームとの対戦。ただ見ていて楽しかった。結果は4-3でカツオマンゴーと灘のチームが優勝、おめでとー!!!

④いろいろな人のお話
まずはチームメイト。ふみなは負けず嫌いだけど、その分本当に努力しててすごいなって思ってた。立論の分析も反論も本当に沢山出てくるふみなにむっちゃ助けられました、ありがと!そしてえきじゅうはとにかくいつも見せ方を意識してて、スピーチ聞いてるとほんとかっこいいなって思ってた。英語が下手な僕にもいろいろ単語とかアクセントとか教えてくれて、ほんとありがと!二人がいたからQFまで来れたし、ほんとに楽しかった!また組もうね!
そして灘。僕らをQFで倒した相手チームのメンバーであるとともに、僕が一番助けてもらってる人でもある。「Veto教えて」「マター教えて」って聞くたびに、聞いてる音源とか書いているレポートとかを止めて色々教えてくれる僕の師匠であるとともに、僕のどうでもいい話を聞いてくれるよき友でもある。実際にチームを組んだことはないけど、灘にはGeminiの期間だけじゃなく、その前も、その後もお世話になってるし、なんならこれを書いている時もすぐ近くにいる。本当に頭が上がらない。いつもありがとう、そして優勝おめでとう。
他にも、ブレイクアナウンスの直後に「明日頑張れよ」って言ってくれたR4の対戦相手の石渡とか、人数足りないときにうちのチームのラウンド練に入ってもらったり、台湾で僕らのチームをエスコートしてくれた福山とか、本当に多くの人に支えてもらってました。ここでは全員の名前は書けないけど、本当に感謝してます。ありがとう。

Gemini Cupのお話
社会人になったUTDSのとある先輩に「Gemini Cupの時期が一番青春だよ」って言われました。終わってみて、改めて本当にそうだなって思います。
3か月かけてチームになって、最後の学年大会に挑む。一言で言ってしまえばそれだけでしかないけど、何か他の大会と違う特別なものがあるような気がする。言葉にするのは難しいけど、多くの同期がそれぞれ練習して、切磋琢磨して、そしてそれぞれの目標に向かって挑んでいく。その中に青春たる所以があるのかもしれない。
この文章を最後まで読んでくれた一年生に向けて。Gemini Cupは優勝チームのものだけど、優勝チームだけのものじゃない。それぞれがそれぞれの想いをもって青春してくれると嬉しいです。


次に松尾さん!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ディベートが怖い。

 今の正直な気持ちだ。ジェミニ杯の後から、ずっと。

 正確に言うと、心の奥底にずっとざらついていた恐怖心をを初めて自覚したのがジェミニ杯、ということになる。

 ジェミニで組んだチームメイトのうち、一人は誰もが認める実力とそれを裏打ちする努力を誇る部長。もう一人は知識量、練習量ともにUTDSのみならず同期の中でも突出しているエース。
 
 自分は、何だ?

 わからないまま、はっきりさせようとしないまま、ずっと練習していた気がする。私たちは早い段階から自主的にプレパ練をしていたし、大会が近づいた頃から駒場練でもチームとして組ませてもらっていた。だが、なかなかチームとしてまとまらなかった。ロールがしっくり来ない。プレパが非効率に思える。三人とも違う話をしている。スタンスが違うんじゃないか?待てよ、スタンスなんて考えたか?

 それでもエース二人、と鰹。おそらく三人ともどこか納得いかずに終わる練習、しかし結局勝つことの方が多いし、深刻そうに眉をひそめて話し合いを開くほどのことでもなかろうとやり過ごしていた。だがそれが長く続くわけもない。数ヶ月くすぶった挙句、大会直前の駒場練で行き詰まる。ああ…そのモーション、見たことあったよ。プレパしたよ。なのに負けてしまった。

 ではロールを変えてはどうか。三人ともロールを代わる大規模な変更だったが、二日後のジェミニ前最後のラウンドでは前回を下回る出来、端的に言えば最悪のディベートをしてしまった。三人とも押し黙っていた。全員の胸中に、勝たねばという焦りと勝てないという絶望が渦巻いていた、かどうかは知らない。少なくとも自分はそんな負の感情の嵐に飲み込まれかけていた。

 残された時間は一日だけ。たったそれだけで、誰とどのモーションで当たっても勝てる状態に持っていかなければならなかった。自分の肩にのしかかる重圧は周囲からの期待か、チャンピオンにならなければと自らに課してしまった遠すぎる目標か。それとも本来チャンピオンになれるはずのチームメイトの不調の原因が、自分の力不足かもしれないという絶望か。

 ならば、数ヶ月間チームの足を引っ張り続けてきた私に24時間程度で何ができると言うのか。

 だが肩を落とす私を慰めてくれ、鼓舞してくれた先輩がいた。「お前たちならブレイクできるって!」と豪快に笑ってくれた先輩、「そんなに絶望した顔しないでよ〜」と優しく励ましてくれた先輩。二人のおかげで何とか前のめりなポジティブ思考を取り戻せた私は、「そうだよな、せめてブレイクはできるよな」と思い直し、ぐっすり眠って肩の凝りを和らげ、翌日には、意気込み新たにしたチームが最後の自主練に集まった。

 本番前日だった。

 チームメイトは全員優秀であり、優秀だからこそ貪欲だ。どうせ勝てないなどという弱音はその日一度も、誰も口にしなかった。私たちはプレパ方法に注目し、メンバーの一人が効率のよいプレパを編み出してそれを「発注方式」と名付けた。つい昨日までどん底にいたのに、今や慣れないロールをこなしながらもプレパまで一新してそれに名前さえつけている。肝が据わっている。これはすごい。この度胸なら、もしや。

 心を少しだけ躍らせながら、金曜日の夜は眠りについた。昨日とは打って変わって、肩はすっきりとしていた。

 いよいよ迎えた、622日の朝。枚方パーカーを忘れた。が、勝てる。梅子杯のときの自分とは違うんだ、勝敗を枚方パーカーのせいになんてしない。

 予選ラウンド。発注方式を採った結果、自分たちでも驚くほどの安定感とリズム感があった。何より、私がそれに貢献していた。コバンザメとしてではなく、チームメンバーとして。私は後ろ二人が安心してスピーチできるようなリーダーであり、試合全体のリズムを打ち出せるリーダーだった。もう、「私は何だ?」と自問しなくてもよかった。自分の役割が見つかり、それをきちんと果たしていた。

 「オクラ」の一員として胸を張れるようになったのは、この日が初めてだったかもしれない。とんでもなく幸せだった。この時ほど幸せにディベートしていたことはなかった。しかし、その高揚感の裏で、私はチームメイト二人への依存を自覚した。自分一人では立派なディベーターになれないという、ずっと心の奥底にざらついていた恐怖が、突然この上なく具体的に、強烈に自覚された。

 だがそんな葛藤を押しのけるように、ブレイクラウンドはますます調子が上がった。デピュティーは普段なら出さないようなユーモアたっぷりのイラストで会場を湧かせ、ウィップは容赦ないコンパリとロジックで相手を刺しにかかっていた。もちろん私も、チームメイトが最高の切れ味をみせられるよう、自分のスピーチでディベートを終わらせるつもりで懸命に話した。全てのラウンドの一分一秒が、私がいかにチームに貢献し続けられるかの戦いだった。本戦の結果発表は全て、私の貢献を試し測る戦況報告だった。

 気づけば戦いは終わっていた。たった1票差で、私たちは優勝トロフィーを掴んだ。全員で掴んだトロフィーだ。私にもトロフィーに手を伸ばして満面の笑みで写真に写る権利があった。同期のトップディベーター二人に並ぶ自信のなかった数ヶ月前の自分とは大違いだ。成長してやったんだ。

 けれど、その栄光も、自分がやっとみつけた役割も強みも、全て「オクラ」の中でしか成立しないんじゃないか。他の大会では、他のチームメイトとは、当然同じ役割を求められることはない。しかし、あの高揚感、一体感、達成感までもが、二度と手に入れられなくなってしまった気がした。

 私の中で勝利は遠い夢に戻った。勝利に伴う喜びも、それまでの過程の楽しみも「オクラ」の二人なしでは、全て自分とはかけ離れたものになってしまったようだった。しかしそれとは裏腹に、ジェミニ優勝者としてはさらなる活躍を期待されている気がしてしまうのだ。たぶん、本当は誰も過度な期待なんてしていない。そんなプレッシャーを感じさせるような言葉を面と向かってかけられたことはない。だとしたらそれは自惚れが自分自身を萎縮させているにすぎない。

 そもそもディベートで負けたことがあまりなかった。自分が誰よりも強いからではなく、自分が強いフィールドばかり選んでいたからだ。渋渋時代は所属高校そのものが最強と謳われていた。大学に入ってからも、ほぼいつも学年大会に出ていた。今までずっとコンフォートゾーンから出られなかったが、最後の学年大会が終わってしまった今、出る前にコンフォートゾーンそのものが消え去ってしまった。

 だから、ディベートが怖い。

 今の正直な気持ちだ。

 けれども、ジェミニで一つ学んだことがあるとすれば、それは恐怖は一時的にでも乗り越えられるということだ。劣等感は、一瞬だけでも、自分の手で拭える。

 ほんの瞬きの隙に消えてしまう昂りのために、私はもう一度、肩にかかる重しを払いのけて手を伸ばそう。

コメント