NEADC 2024 結果報告&感想文(1)

 



かなりお久しぶりのブログ更新です✨Kumamoto NEADCの感想文第一弾を書いてくれたのはコミ(+CAのなささん)の皆さんです!

【Prize】

【Team Prize】
[Open Grand Finalist]
▶Tokyo C (Kotaro Yoshida, Yuichi Masaoka)

[Open Quater Finalist]
▶Tokyo B (Rina Kajitani, Yuki Saito)
▶Tokyo D (Riho Takahashi, Kei Kashioka)
▶Tokyo E (Emi Negita, Riko Mimura) 

【Speaker Prize】
[3rd Open Best Speaker]
▶Kotaro Yoshida
[7th Open Best Speaker]
▶Rina Kajitani

[2nd Best EFL Speaker]
▶Kotaro Yoshida
[10th Best EFL Speaker]
▶Yuki Saito

【Adjudicator Prize】
[8th Best Adjudicator]
▶Yuki Yamashita
[10th Best Adjudicator]
▶Takeshi Matsuda

【Adjudication Core】
[CA]
▶Nasa Tsuchiya

【Organizing Committee】
[Convener]
▶Jo Watanabe
[Finance
▶Tomoya Mizutani
[Media]
▶Akari Kamiya
[Tab]
▶Satoshi Inoue

【感想文】

<目次>

1. NEADCとは

2. Kumamoto NEADC 2024について

3. コミ・ACより


1. NEADCとは

(1.と2.はConvenorの渡辺執筆でお送りします、自己紹介は後ほど!)

NEADC (North East Asia Debating Championships、旧称NEAO) とは、年に一度開催される、北東アジア圏(日本・韓国・中国・香港・マカオ・台湾)で最も権威ある英語ディベートの国際大会です。

海外の参加者も対面で参加しており、普段の日本国内で行われる大会とは異なる雰囲気を体験できる貴重な場となっています。また、他の大きな国際大会に比べてNEADCは比較的参加しやすく(地域的に英語のネイティブスピーカーが相対的に少なく、また開催地域への交通費が比較的安価であるため)、日本からも多くの参加者が集まります。

NEADCではUTDSのディベーターも多く活躍しており、2023年には準決勝進出、2022年には優勝を飾っています!今年も決勝進出を果たしています!!


2. Kumamoto NEADC 2024について

本年のNEADCは開催地選考の末、JPDU(日本パーラメンタリーディベート連盟)が主催し熊本県熊本市で開催する運びとなりました。

UTDSからは4名がコミ(運営委員、全8名)に、1名がAdjudication Core(審査委員団、全6名)に入っていました!

Convenor(運営代表):渡辺(4年)

Finance(財務):水谷(2年)

Media(メディア):神谷(2年)

Tab(技術):井上(3年)

Chief Adjudciator(審査委員長):土屋(院1年)


ここから先は各メンバーからの感想をお送りしたいと思います。

現在大学ディベートをしている方はもちろんのこと、ディベートをしている中高生や今後ディベートをしようかな~と思っている方にも、普段とは別の角度(競技者ではなく、運営者の視点)からディベートの面白さが感じられるような内容になっているかと思いますので、ぜひぜひ最後までご覧ください〜!


3. コミ・ACより

(※注は渡辺が必要に応じて入れています)

Convenor:渡辺 丈(4年)

改めまして、4年の渡辺です!今大会で通算13大会目のコミ(運営)となり、昔の自分に言い聞かせていたら驚くような回数になっているだろうな…という感じですが、今大会が一番長く、忙しく、苦しい運営だったと感じます。しかし、偶然の産物で出来た「NEADCを日本で開催する」という構想を、実現まで持って来られたのは感慨深いものがあります。


「NEADCを日本で開催する」という構想の端緒は、実は2023年4月のJPDU Spring Tournament 2023(春T)にまで遡ります(ちなみにその際もブログに寄稿しているので、もし興味がある方がいればぜひお読みください…!)。とは言っても、何か公式の場でそういう話があった訳ではなく、大会を終えた飲み会への道中での雑談中に、春TのDCAを務めていたChris Hungさんに「今後もコミをするなら、NEADCを日本で開催するとかを目指してもいいんじゃない?」という提案を受けたことがきっかけです。Chrisさん曰くこれは単なるcasual encouragementだったそうなのですが(笑)、春TのTDを務めていた私とCAを務めていたなささんはこれを真剣に受け止め、飲み会を終えた帰りの電車で構想を膨らませ始めることになります。

その後色々あり、同じくConvenorを務めた木村くんの助けもあって晴れて日本での開催にこぎ着けた訳ですが、Kumamoto NEADC 2024は初めからの確固たる意志の下に実現したわけではなく、様々な偶然が積み重なって生まれたものでした。「もしChirs Hungさんが春TのDCAを務めていなければ(同時に、春TのDCAを公募制にするというなささんの提案を採用していなければ)」「春TのCAをなささんにお願いしていなければ」「自分が春TのTDを務めていなければ」「2022年の春Tの後で、末上さんの背中を追って翌年のTDを務める決意をしていなければ」そもそもNEADCを日本で開催するという発想自体持っていなかっただろうと思います。これまでを振り返ると、他にも様々な偶然が重なって生まれた大会・関わらさせていただいた大会もあるので、やはり偶然の出会い・シナジーって大事だな…ということを改めて思わされました。


大会に向けた本格的な準備は3月頃から始まりました。通常の国内大会であれば準備期間は3〜4ヶ月程度なので、おおよそその倍の準備期間を費やしていたことになります。また、国内大会であれば概ねルーティーン化した業務が多いのですが、今回の場合は大規模な予算、ホテル確保まで含めたレジ業務、海外からの行き方も案内も含めた詳細な大会案内、NEADC Council対応など特有の業務が多く、重く新しい仕事が次々と発生していたように感じます。私自身、それほど固有の業務は多くなく(Tournament Guideの作成くらい…?)、基本的には各役職の業務を補助していた形だったので、よりこの大会の複雑さを実感できる立場にいたのだろうと思います。

当日期間はトラブルづくしだろう…と想定していたのですが、せいぜい遅刻や迷子くらいで、思いのほか大きなトラブルなく終えることができ、ほっとしました。ただ大会2日目に1つ下のフロアで阪大オープンが開催されていたのは流石にビビりましたが…。DCAのSamとDavidに「こんなにスケジュール通りに進んでいる大会は見たことがない」と言われ、日本の大会の常識との違いも実感しました(笑)。


様々な側面で大変な大会ではありましたが、それでもやりがいは大きかったです。対面の国際大会のコミに実際に関わるという方はおそらくそれほど多くないだろうと思いますが、ディベートをする中でこんな世界もあるんだよというものをお見せできていれば嬉しい限りです。

最後に、個人的な話にはなりますが、Kumamoto NEADC 2024の前に開催されたJPDU Autumn Tournament 2024のTD Addressで話されていた「コミュニティーのために、コミをやらざるを得ない環境にいる人もいるということも理解して欲しい」という言葉が強く印象に残っています。自分は明らかに恵まれた側にいる人間で、基本的にはコミを務めた大会は自ら進んで務めたものばかりです(この大会もそうです)。そんな自分にもできることがあるのだとしたら、ディベートコミュニティーにおけるコミの役割にもっとスポットライトを当てていくこと(「透明な存在」にしないこと)、そしてコミの楽しさ・面白さを発信して楽しみ・面白みを見出せる人を増やしていくことなのではないかと考えています。この記事がその一助になっていることを願って、私からの言葉を締めさせていただきます。

改めまして、参加いただいた皆様・様々な形で応援してくださった皆様に深く御礼申し上げます!


Finance:水谷 友哉(2年)

2023年のIcho Cup(注:UTDSが主催する1年生向け大会)についで2回目の大会が、国際大会の開催でしたが無事に開催することができて安心しています。無事に開催することができたのは、本当に他のコミ・ボランティアの方々のおかげです。ありがとうございました。

基本的にFinanceチームとして今回の大会に関わらせていただきましたが、なんと総額1000万円超のお金を扱うという大役を担い、お金を無くさないかどうか、ヒヤヒヤしていました。NEADCで1000万円規模ということは、WUDCは数千万円規模ですよね......あな恐ろしや。

閉会式のくまモン・和太鼓・着付けのパフォーマンスは楽しんでいただけたでしょうか。CCのMCを直前にゆとけ(注:Convenorを務めていたYuto Kimura)から「水谷やってね」と言われ、とてもとても緊張して、噛みながらやっていました。これは、くまモンのパフォーマンスの裏話になるのですが、実はくまモンのパフォーマンス中、通訳をお願いされていて、くまモンとともに一緒に台上にたつはずでした。だったのですが、くまモンが舞台袖から、圧倒的速さで台上に突入したため、僕もそれについて台上にいくタイミングを逸してしまいました。まあ、僕が台上にいって通訳する必要もない、とってもいいパフォーマンスで僕も舞台袖から見ていて楽しむことができました。

国際大会を実際に開催することができ、とても楽しかったです!ぜひ皆さんも、もしコミとして関わる機会があれば、チャレンジしてみてください。貴重な経験になることお墨付きです。


Media:神谷 朱里(2年)

UTDS2年のAkariです!大会のコミ(運営)はこれまで様々に経験してきた(はず。某私の尊敬する先輩が数えたらしいのですが、Tokyo Mini 2024で10回目だとのこと…)ですが、本大会が一番忙しかったです、、、ということはさておき、コミとして本大会に携わらせていただいて、私自身得るものが多くて楽しかったです😊熊本に行くのは初めてで(地方出身の上京勢なので、羽田空港すらも初めてでした(笑))大会期間を通してたくさんの経験をさせていただきました!本大会に関わってくださった全ての方に感謝申し上げます<(_ _)>

ではまず、Media、というお仕事をざっくりと紹介したいのですが、決してテレビとか新聞とか(思考回路が古いかな、、、?)そういうことではなく、大会に使用するデザインや広報物の作成をします!コミの仕事の中では比較的自由度の高い役職で、デザインセンスがあれば(なくてもwelcome)楽しくやれるお仕事です。

本大会は国際大会、ということもあり、作るデザインや物品が多くて、ちょっと大変だった(^_^;)のですが、自分の作ったデザインが実際に使用されているのを見るとそりゃもう嬉しいものです!Kumamoto NEADC 2024のロゴも私がデザインさせていただいたのですが、実はあのロゴの城のイラストや文字、全部手書きなんです(笑) 紙に描いて画像化して加工して、なんか様々なツールを駆使した記憶があり、デザインツールにちょっと詳しくなれました。本大会に限ったことではありませんが、コミをやるとディベータ―人脈が広がったり、すごいAC(Adjudication Core; モーションなどを決める、とにかく偉いジャッジ)陣と関われたり、仕事の中でスキルを獲得できたり、様々に得るものがあります。これもコミの魅力かもしれません!

さて、話が脱線しまくっていますが、とにかく、大会は、ディベータ―/ジャッジとして参加するのも楽しいし、コミとして大会を「創る」側に回ることもすごく楽しいです!参加者側だと見えない大会の裏を覗けるのは面白いですよ(笑)(今大会で少し焦った(面白かった?)のは、閉会式の際に舞台袖にいたら、ステージを終えて疲れたのか、着ぐるみのまま肩を落とすくまモンを見てしまったことです。コソコソと隠れてその場に留まってみましたが、くまモンではなくなる姿を見ることはありませんでした、やはりプロだった…。)「国際大会のコミはハードルが高いよ💦」と思われるかもしれませんが、やはり貴重な経験になることは間違いないですし、国際大会でなくとも国内大会でもコミをやれる機会は多くあると思いますので、皆さんぜひ挑戦してみてくださいね♪


Tab:井上 聡士(3年)

UTDSブログを書くのは、Silver Cup 2023以来でしょうか。3年の井上です。ディベート大会に参加したことのある人なら一度は目にしたことがあるであろう「Tabbycat」を操作する、いわゆるTabという仕事を担当していました。(Icho Cup 2023ではMDも兼任しましたが)Tabだけをやり続け、今回で実に11回目の大会運営とのことです。そろそろ老害ですね...


さて、せっかくなのでNEADCでのTabについて少しお話ししようと思います。4月に開催された春T 2024で、Convenorの丈先輩、木村君(Waseda)、そしてCAのなさ先輩から声をかけていただいたときは、本当に嬉しく、光栄に感じました。一方で、国際大会のTabを担当するのは初めてで、わからないことだらけの状況に不安もありました。そこで、以前FacebookのDebate Seriouspostingページで見かけた国際大会のTab運営方法を改めて調べ直し、Constitutionを読み込みながら、業務内容を把握することからスタートしました。

しかし、マニュアルを読んでも実際に運営する上では不明な点が多く、Osaka IV 2024の運営チームに直接お願いして、WUDCのTab経験者の方のもとでTraineeをさせていただく機会を得ました。夏休みの2か月間をほぼフルに使い、Pythonと格闘しながら自動化用のプログラムを作成し(当時のTwitterはおそらくPythonへの愚痴で埋まっていたと思います)、さらにTabtasticの導入なども試みました。これまでで最も忙しい大会運営だったのは間違いありませんが、新しい挑戦をたくさんすることができ、とても楽しかったです。

ここに至るまで、さまざまな方に助けていただきました。最初にTabの基礎を教えてくれた同期の川端さん、Osaka IVで受け入れてくださったもりかんさん(Osaka)や、TabのAndreeさん、さらにはコミACの皆さんなど、多くの方々に支えられました。この場を借りて改めて感謝申し上げます。


ここまで読んで、「Tabって難しそう」と感じた方も多いのではないでしょうか。確かに、ある程度の操作知識が必要で、(これはコミ全般に言えることですが)ディベーターやジャッジと比べて参考資料が少ないため、そう思われるのも無理はありません。このため、国内ではTabができる人がかなり限られている状況が続いています。しかし、実際にはTabbycatのUIは非常に親切で、基本操作を覚えるのは意外と簡単です。さらに拡張性も高く、意欲と努力次第でさまざまな試みが可能です。もしコミをやるべきか、あるいはどの役職を担当すべきか迷っている方がいれば、ぜひTabに挑戦してみてはいかがでしょうか。意外と楽しめるかもしれませんよ。


最後に、コミという役職にはまださまざまな課題が残っていると感じます。今年の秋Tや大沢杯でのTDアドレスが印象的でしたが、インステや組織の都合で、やりたくないのにコミを担当せざるを得ない人もいます。一方で、やってみたいのに自インステで大会がない、あるいは資料がないために実現できない人も多いでしょう。むしろ、私のようにコミをやりたくて、実際にその仕事を任せてもらえる人は少数派なのではないかと思います。当然ながら、こうした課題をすぐに解決することは難しいですが、人より少しだけコミ経験が多い者として、何かできることを考えていきたいと思います。例えば、Traineeを受け入れたり、コミの負担を軽減するプログラムを作成したりといった形で、少しでも貢献できるよう努めたいです。そして、もう少しだけこの役職を楽しみながら続けていければと思います。



Chief Adjudicator:土屋 なさ(院1年)

UTDSの土屋です!NEADCを日本で開催することを実現できて本当に嬉しいです。日本の魅力を海外に発信し、日本ディベート界のプレゼンスを世界で高める機会となる上に、NEADCは多くのディベーターにとって国際大会への第一歩となる大会なので、多くの日本チームが参加することができる機会を確保することが私の大きなモチベーションをなっていました。


この大会の構想段階から関わらせていただいたのですが、本当は昨年度のNEADCのACチームに入る予定があったり、他の団体が日本での開催を匂わせていたりと、色々な経緯を経て実現したBidであり、大会でした。丈くんはじめコミの皆様のご協力があって、"By Japan, In Japan"の大会を実現できたこと、この大会にCAという立場で関わることができたことは自分のディベート人生の大きなハイライトであり、とても誇らしく思っております。


自分がディベートをやっていてよかったと思う一番大きな理由の一つが、世界中に友達を作ることができて、世界中の人と関わる中で視野を広げることができたことです。この大会を機に国内に止まらず、海外でのディベートにも挑戦したい・関わりたいと感じてくれた方がいたらとても嬉しいです!





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