春T感想
目がイってしまっていますね。 distinguishedの意味を考えているところなのでしょうか |
僕がこのブログ担当に就任して、一つ絶対に叶わないだろうな、と半分あきらめていたのがこのブログを自分の力、というか、正統性を持って更新することでした。自分がブログ担当をやりながら、このブログ、UTDSブログで感想を書くということは、まさにディベート界と同じくらい大きな壁でしたので、こうしてブログを書かせていただけるようなことが出来たのは、本当に本当に光栄で名誉なことで、ただただ純粋に嬉しく思います。ただ去年の同じ時期の記事を見てみると、幸松さんも春Tが初めてのブレイクというすごく記念すべき回となっていたので、UTのブログ担当になったら春Tで何かいいことがあるのかもしれませんw正直出る前から幸松さんが超えた壁は越えられないだろうなと半分あきらめながら出たので、今回の結果はやっぱりすごく嬉しいです。
そもそも、ブログを頼むということはずっと人任せな所があって、自分は何もえらくも実績を作った訳でもないのに、素晴らしいディベーターに限ってばかりブログの記事を押し付けるという本質的unfairnessがある気がして…、いやいや、やめましょう。今日はブログの愚痴の記事ではなくて、春Tの感想の記事ですからw
と言う訳でいつもより長めのよく分からない小噺はとりあえずさしはさんでおくとして、要はブログ担当だからこそ、ブログをこうして自分に依頼するというのは、この上なく名誉なことで非常に嬉しいということです。
さて、いざジャッジブレイクでブログを書けと言われても、正直別に僕の脳みそがめちゃくちゃ働いてジャッジしたというよりは、みなさんのおっしゃることをただ整理してまとめただけなので、「俺のこの発想すごいやろ~!(ドヤッ」、とか、「このラウンドのジャッジ俺めっちゃ頭よかった!!!」みたいな、そういうなんというか、自分すごかった、発想キレキレだった感というのは一切無いものなので、なんかすごかった話も僕のアイデアがよかった話というのも全然思いつかないものですね。なんか自分の頭がよかったからとは、あまり思えないものな気はします。ディベーターに依存、というか、全面的に受け止める存在なので。受動的だと言いますか。
なので普通に、春Tに向けての話と、完全に丸パクリになりますが大川みたいに自分がジャッジをする上で気を付けたこと、そして春Tですごい名誉な機会だったわーい。みたいな話をしようと思います。
まず春Tに出た動機です。まあ普通に2月3月の、春セミで割と全くうまくいかず、非常に落ち込んでいた時期に春Tの予選があり、しかも今回は選考方法が「過去の実績」と、「主観的やる気」だったので、ご存じのとおり僕は過去の実績がないディベーターでおなじみですから、まあ100%無理やな、と考え、しかもなんか万が一文章力というかなんというかでディベーターもぎ取ったとしても、今回の春Tが先輩方まで含めてUTDS全員にとって大事で思い入れの深い大会であることは分かっていましたので、僕程度の実力で一枠使うのは申し訳ないと思い、はなから諦めていました。
でもかと言ってジャッジでボコボコに言われたり、僕はまだ当時今よりもっともっとirrationalだったので、僕のvoteで勝敗が決まるなどという責任を持ちうるだけの実力がないと考え、コミでもやってUTの出場枠に貢献できればいいなあ、と考えていました。書かなかったのですがICUTのコミは正直まあディベート界にいた中でもほとんど一番楽しかった経験の一つだと言ってもいいくらいなので、コミもいいなあ、と思ってたわけです。しかも国内渉外のミョンバクはあまり2年ジャッジを出そうとは考えてなかったっぽいので、まあジャッジで出る理由はほとんどなかったわけです。
あ、まだ理由がありましてですね、僕は割と自分のジャッジに本当に劣等感がありまして、だから今回の春Tは、オーディエンスとして色んな素晴らしいラウンドを見て素晴らしいジャッジを聞いて、練習しようかな、などと、よく言えばgradual change、悪く言えば甘いことを考えていたわけです。(
そんなのどかな考えを打ち破ってくださったのが、我らが加藤さんです。加藤さん「会長、ジャッジ出ないの~」「いや。これこれこういう理由で…(さっきまでの長い長い言い訳。やっぱこんだけ言い訳出るって俺さすがディベーターだわ)」「そっかぁ、でもジャッジとか一か月もあれば何とかなるんじゃん?」「え、え、い、いや、でも、ジェミニのトライアウトも近いですし、ほら、僕イラジャですし…」「イラジャかどうかは分からないから練習しっかりやって出ようよ、実力に応じてきちんとアロケートするから。」「え~、でもまだオーディエンスやって練習する時期かなと思いまして…(先輩方のジャッジとかやだあ、ヤバいいい)」「ジャッジというのもね、大会の一つの重要な参加者なんだよ、ディベーターと同じように。だからディベーターで春Tに出ることと、同じくらい、いやもしかしたらもっと大きな収穫が得られるかもしれない。だからみんなにももっとディベーターとしてだけじゃなくてジャッジとしてもどんどん参加してほしいんだよね~。」「あ、は、は、はい!(やべえ、やっぱ春Tチャンピオン半端ねえ…)」「ま、もちろん実力順でブレイクさせるから主観は入れられないけどさ、頑張ってね!ダメだったらもちろん躊躇なくトレイニー落とすからwジャッジブレイク目指して頑張って!!」
と言う訳でこうしてジャッジの重要性に気付いた以上、後には引けなくなり、もうジャッジのやり方をradical changeせざるを得なくなってしまいました。
もうそれからはジャッジ猛特訓の日々です。と言いつつ、まあジャッジとディベートは半々くらいでやってましたかね。
今回は恵まれたものは三つあると思っていまして、一つ目は既にジャッジとして評価されていた得難い同級生の存在。二つ目は春Tベストスピーカーも含めた先輩方のレベルの高いラウンドを見ることのできる得難い機会が多かったこと。三つめは僕が見たラウンドの質だったと思います。
一つ目は同級生です。まず、僕には割と身近な所にジャッジをある程度教えるだけの力がある同級生がそろっていました。ICUTでジャッジブレイクをしていた大川とかMy honorable honorableパートナーであるまさあつとか、特にふなTとかのことです。大川は独自のディベート観を持って鋭くジャッジしてくれるし、まさあつはなんだかんだであいつはラウンドが瞬時に見えるいいジャッジだし、ふなTはICUTでもジャッジブレイクをし、MDOでもジャッジとしてそこそこ評価された非常にレベルの高いジャッジでした。本当に今回ふなTから学んだことは多かったと思います。僕がジャッジをしていても、そこに非常に質の高く、ジャッジの方法論から考え方まできちんとFeedbackをできる人というのがふなTでした。だから、今回もしジャッジの能力が伸びたとしたらふなTのおかげです。いつもどうしたらブレイクすることが出来るだろうかということを一緒に練習し、悩み、考えてくれました。
あと桑さんの存在も大きかったです。まずあいつはそもそもいいスピーカーなので、大体どのラウンド見ても安定してあいつがいるというのは、とても練習になったと思います。あと、桑さんにはラウンド中のNote Takingのやり方を教えてもらいました。このNote Takingの方法のおかげで、本当にたった一日でdramaticallyに僕のジャッジのレベルが一気に向上したのは今でも明確に覚えています。(というか今までが完全にノートがごちゃってたので、どんだけ訳分かってなかったんだよ、という話ですがw)あのノートの取り方が悪かったことに気付いたことは、割と大きかったと思います。
そして、同期のサクちゃんとかパニヨシとかまあやっぱりふなTとか、この辺の人々は本当に僕がまあジャッジをする度に噛みついてくれました。「何で一個Counter-Analogy投げただけでPhilo取らないとか言える訳?」「うん、わかった。Govに入れる理由は分かった。じゃあ何でOppに入れる理由が無いの!全然意味わかんない!!」「全然そのCriteria納得いかねえ。そう分ける意味が分からない。」「ここ取った?取れない?は、何で?」「そんなに良い所しかなくて、スピーカーズスコアbelow averageって何考えてんの?じゃあ何言えばAverage超えたの?」
もう多分僕が覚えてないくらいまで、いろんなことを徹底的に噛みついてくださったと思います。同期だから遠慮なしに、僕が春Tで恥をかかないために、色んな指摘をしてくれたおかげで、春Tでは本当に全てのスピーカーが天使に見えるという効果がありましたし、実際にジャッジとしての質は上がったと思います、本当にありがとうございました!!
次に先輩方のラウンドを見る機会が多かったということがあると思います。先輩方のラウンドは自主練の段階でなんだかんだでまあ、春Tの中でも相当レベルの高いラウンドだったと思います。そういうラウンドをまず何度も見れたということは、本当に最高の練習機会だったと思いますし、勉強になったと思います。春T前々日にもかかわらず、「先輩、ここがClashになることまでは分かったんですけど、decisionは出せません!!!!」と言っても受け入れてくださったり、富永さんに「ごめんなさい、早すぎて聞き取りきることは難しかったです、でも僕レベルのイラジャが春Tにいることを仮定した場合…」というもはや何の話だか分からないリフレクをしても笑顔で対応して下さったり、 そして毎回ジャッジングに関して前向きなリフレクをくださってありがとうございました!自主練に誘ってくださった福元さん、井川さん、石河さん、トミーさん、佐野さん、ようかさん、岩井さん、パ二さん、パまのさん…本当にありがとうございました!!
そして突然春T当日の話に話は移ってしまいますが、今回僕が見たラウンドが本当によかったということも挙げられると思います。ジャッジをしていて基本的に一番困るのは、エンゲージをしない、コンパリがない、ラウンドがごちゃるなどという事態です。
しかし、僕が見させていただいたラウンドでは、本当に勝った側も負けた側も、きちんと相手のケースを相互に理解しようとし、エンゲージを行い、ごちゃることは幸い一度もありませんでした。負けたり勝ったりしてirrationalになるようなこともなく、このように、非常にいいディベーターのラウンドを見る機会に恵まれて、今回はいい結果にもたらされたのだと思います。本当に、いいラウンドをしてくださり、ありがとうございました!!
では、今度は僕がジャッジをするうえで気を付けたことを、思いつくままに何個か書いてみたいと思います。
①相手の話を最大限理解しようとする。
これは当然のことです、こういう前提だよ、という話です。
②何故分からなかったかを考える。
ジャッジがすべきこと、ジャッジに出来ることの唯一のことというのは、何が分かって、何が分からなかったかということを、ディベーターに伝えることだと思います。少なくとも僕のレベルでは皆さんよりスピリットが見えているわけでもないので、この方法しかいいジャッジであろうとするには取れませんでした。
なので、何が分からなかったかというラインを明確にし、それが何故分からなかったのか、メカニズムが足りないのか、マナーの問題なのか、最悪トミーさん僕の英語力のせいでした自己嫌悪、という時も含めて何故分からなかったかを考え、それをディベーターに伝えるよう努力しました。
これは加藤さんがどっかで書いてらっしゃいました。
③スピーカースコアは僕の中のラウンドの優勢劣勢を極力反映させてつける。というか、ラウンドへの貢献度でつける。
これも当然のことです。当然マナーもある程度考慮しましたが、主にはラウンドの流れでつけました。なので、その人が行ったPOIでラウンドに大きく貢献した場合は、そのPOIも当然スピーカースコアに考慮しました。
④スピーカースコアをbelow averageでつけるときには、どこがそのスピーカーで悪かったかを必ず説明できる時に出す。
要はスピーカースコアの妥当性です。feedbackで褒めまくってるのに点数が低いなどという事態に、ディベーターが納得できるわけがありません。なので、75より低くつける時には、何故75より低いのかというアドバイスが出来るときに限定しました。逆に言うと、そこが目立てば、ディベーターを、75以下にすることにはしていました。
これはふなTのアドバイスです。
⑤極力メタディベートはやろうとは努力する。少なくともクロースの時にはそうする。
印象で決めてしまっては、結局何か忘れててイラジャという可能性が高くなってしまいます。なので、両サイドに入れる理由を考えて、つまり自分が最初負けにしようと思っていた側が本当に一切勝てなかったのかも考えて、voteを出そうとは心がけました。クロースの時には、絶対にやりました。ただこれに関しては僕の実力はまだ発展途上かもしれませんが、ただこの方法を徹底することで、負けにされた側の不満感、不公平感を、極力減らそうとは努力しました。
これも加藤さんがどっかで書いてらっしゃいました。
⑥オーソリは疑う。
僕は割とオーソリ大好きの人間なので、あとかっこいいスピーカー大好き人間なので、目が節穴になることを避けるために、本当にマターで自分が高く評価しているのかどうかについては、一応一度はきちんと考え直してみました。
これは、僕たちノーオーソリぺーぺーディベーターがやられたら非常に悔しいからです。自分がうっかり陥ってそうなリスクは、出来るだけ避けたいと考えました。
これもやっぱり加藤さんがどっかで書いてらっしゃいました。こうして加藤さんの書いてらっしゃることを四つも入れる時点で、僕がオーソリ大好き人間だということがやっぱりわかるのですが、でも考え直してみても、やっぱいいことなので、大丈夫だと思います。
⑦ジャッジが迷うのはディベーターの責任
これはディベートするときの心構えでもあるのですが、ジャッジの練習をしているときには、意外と心の支えになった言葉です。もちろん僕たちは①~⑥までを厳粛に厳密に満たそうとします。では、何故迷うことになっているのか、これを明確化すると、何か糸口が見えてくるかもしれません。するとメタディベートにつながり⑤に行くわけです。そして、この理由が何なのかを示してあげることはジャッジのBurdenな訳です。すると②と同じ話になりますね。これはふなTの言葉です。
とりあえず今なんか思い出せるのはこのくらいです。もっといろんなことを注意され、キレられ、噛みつかれた気もしますが、なんか今記憶に残ってるのはこの辺ですかね。もっとやるべきことはいっぱいある気もします。
さて、最後にすごい機会が一杯あったぜイエイみたいな話をさらっとしたいと思います。
二日目朝、僕は人生で初めて決勝ラウンドの日に緊張していました。なんだかんだで4ラウンドともChairだったので、「いけんじゃね…?」みたいなことは考えていました。
さて、いざジャッジブレイクアナウンスメントが始まってみると、名だたる名ディベーターの中に自分の名前が呼ばれ、嬉しかったのですが、なかなか嬉しさは実感できないまま、どちらかというと万が一ブレイクラウンド入れられたらどうしようという緊張感が上まった状態で、でも皆さんが割とガンガン祝福してくれて、相当嬉しかったものの、照れとハニカミとなんかそんな大したジャッジじゃないのにという自己評価が入り混じって、最終的にハニカミながら皆さんの祝福の言葉を喜んでいました。
ジャッジブレイクにガッツポーズの図 ちなみにこれはこの日5回目くらいのガッツポーズです。 |
まあRookie SFは、正直ジャッジの数とConflict的に絶対入るだろうなあ、と思いながら待ってたわけですが、それでもやはり驚きがありまして、まさかのChairというまさかまさかの展開に!!! しかもPanelがその後Main GFをジャッジしはる小野山さんと、かの有名なデリさんという恐ろしい展開に驚きっぱなしです!!
「マジか…、パフォーマンスかなJPDU」と思いながら、まあやっぱりテンションは上がりつつ、「ブレイクラウンドでのチェアとか…、かっこいいことをラウンド始まる前に言って、ジャッジの紹介されるのかなあ… ”Most irrational chief blogger debater of UTDS”みたいなコールされちゃうんだろうか、ドキドキ」みたいなことを考えてたのですが、特にコールもなく、無難にラウンドを始めてしまい(厳
Chairなのに一番威厳がないため所在なさげの図 これはデリさんからタイムキーパーの仕事とコールの仕事を頂いたところですw (撮影:岩T) |
Rookie-SFをジャッジするの図 今回ジャッジブレイクは僕の前の水とのど飴にあげるべきだったかもしれません。 (撮影:岩T) |
さて、Rookie SFのCHAIRになったということは、人生で初めてすごい機会に巡り合ってしまったわけです。そうです!勝った方をためて前でChairが発表するあのカッコいい奴です!!
やっぱりあれはすごく緊張しましたねえ、結果はきちんと本当に発表直前になって初めて告げられるのですが、さっき告げられた結果を僕が本当に覚えているか、言い間違えないか、実は間違ってるんじゃないかとかめちゃめちゃ緊張して、まあもう最高でした!!
僕みたいな若造がChairぶって突然前に出てきて勝者を発表した訳なのですが、僕が出てきたときの皆さんの歓声は本当に温かくて、なんか本当に頑張った甲斐があったなと。ディベート諦めずに続けてきてよかったなと本当に思えるディベート人生最高の晴れ舞台だったと思います!
Rookie-SFの勝者をためて発表するという晴れ舞台 どっちが勝ったのか思い出している瞬間かもしれません。 |
そしてすべて終わり、ジャッジアワードに移ったのですが、僕は何故か"distinguished adjudicator"という、直前の説明では「Top adjudicatorよりすごくないジャッジ」という説明のものに呼ばれたので、なんかちょっとブレイクの中の下の5人だったのかなと残念に思いながら前で人生初の表彰を受けたのですが、よくよく考えてみると、Breaking Adjudicatorの中で、上の方のジャッジだったということが後から判明して、非常に名誉というか、ラッキーというか、まあよく分からない時間差攻撃を受けました。
今回の春Tを通して感じたことは、本当に皆さんのあたたかさというか、あと今自分がいる環境の良さだと思います。とても長いものになってしまったので締めは7分過ぎた後のスピーチみたいな締めにしようと思いますが、本当に本当にみなさんありがとうございました!これからもでもirrational speechは続けていきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします!長くなりましたが、会長でした。
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