HKDO感想

今日は、世界のスーパーディベーターと並んだ
日本のスーパースター HKDOのDCA、加藤さんの記事です!

あれは、今年の4月のことでした。
いつものように、本郷練習会の後にメールをチェックしているとLokeからメールがきていました。
Lokeが一体何の用だろうと思いながら開くと、信じられない文が僕の目に飛び込んできました。

"On behalf of the organization committee, I would like to ask you to be the DCA for the 3rd Hong Kong Debate Open 2012."
なんと、Sharmila, Tate, Loke, TJ, Zheng Bo, Sandeepと共にHKDOのAdjudication Coreをやらないかというお誘いがきたのです。

衝撃が走りました。衝撃が走るという言葉を思いついた人は天才じゃないかと思うくらい、文字通りにです。
何かの間違いではないかとメールを何回も確認しても、Dear Akiraと書いてありました。信じられませんでしたし、本当にこれが現実なのかは甚だ怪しかったです。
俺の名前はAkiraだよな?と馬鹿げた自問自答をするくらいには、混乱していました。嬉しい、すごく名誉だ、だけどなんで僕に?

なんせ、海外でACに入るというのは相当名誉なことなわけです。特に、HKDOだと設立されたのはごく最近とはいえ大会の規模も大きく強豪校が参加します。
そして何より、このACです。ほとんどのメンバーが世界大会でディベーターかジャッジでブレイクしているわけですし世界中でアジアを代表するディベーターとして活躍しています。
Sharmilaは、今年のWUDCのCAだし、TateはUADCのCAだったし・・・音源では毎日のように会っているものの(笑)まさに憧れという存在、本当に雲の上の存在だったわけです。

ACに呼ばれるだなんて、いくら調子にのりやすい僕とはいえ夢にも思わず、信じられませんでした。一生に一度あるかないかの機会だろうし、得るものもすごく多そうで、わくわくしました。

しかし、それと同時に感じたことのないようなプレッシャーに支配されそうでした。身分不相応の文字が脳裏を過ぎります。他のACは文字通りアジア、世界で活躍しているわけです。
(Sharmilaはアジア大会3連覇、TateはAustralsでGF進出等。)アジア大会に出場すらしていない僕なんかがやっても迷惑をかけるだけじゃないか、全然貢献できないんじゃないかと。
井川さんに「こんな加藤さんみたことないです」と言われるくらいには自信がなかったみたいです。(笑)

さすがにすぐさま返信をすることはなく、1日考えました。不安もあるけれども、一応は認められたわけだし精一杯頑張ろう。自分ができることをやればいいし、こんな機会は二度とないだろう。
親にも背中を押してもらい、メールから2日後にはDCAに就任しました。

そしてGoogle Docs上でのモーション会議が始まりました。そこにあったのは、僕がみたことのないようなモーションでした。どうやったらこんなに天才的な発想ができるのでしょう。僕はただただ舌を巻くことしかできませんでした。議題についていけるようリサーチもしましたが、やっぱりこのレベルの差にはただただ衝撃でした。

香港で僕はTateに聞きました。どうやってモーションを考えているのかと。そしたら、彼はこう答えました。「こういう風にすればもっと世界はよくなるんじゃないか、と思っていることを言葉にしているだけだ」と。日頃から社会問題に対するアンテナを張っておくことが非常に重要であり、ただただ自分の無知を恥じることしかできませんでした。

そして、大会前日の怒涛のモーション会議を僕は一生忘れることがないでしょう。というのも、何しろ、驚異的なスピードで議論が進んでいくからです。このモーションはGov、Opp何が言えるのかというブレスト作業は、一瞬で終わります。あっという間にぽんぽんと5個くらいの視点が出てくるわけです。なんとか意見を反映することに必死でしたが、世界の実力をみせつけられたという表現以外に僕は思いつきません。ACのメンバーはただただかっこよくて、僕も少しでも追いつきたいなと思いました。

その中で、自分のモーションが2つ(R1: THW privatize the police,
R4: THW ban positive depictions of former dictators and convicted war criminals.)が採用されたのは嬉しかったです。いくつかのモーションも候補まで残ったり、発言が評価されたりしたことは励みになりました。また、「そのモーションはこの大会で出た」というディベートフリークだからこその記憶力(なぜこの記憶力を普段生かせないのかは謎です。)は相当役に立ったみたいで自分なりの方法で少しはチームに貢献できたのかなと思います。

他にもジャッジブレイクを決める際やアロケーションをする際に全面的にAC陣から信頼してもらい、(「この人はブレイクしていいと思う」と言ったらその場で即決まって驚きました。)もう、恐れ多いというか感動というかという感じでした。

また、ジャッジに関しても非常に実りのある大会でした。僕はこれが海外にジャッジとしていくのが初めてだったのですが(!)、色々な人とディスカッションするのは楽しいなぁと思いました。少し懸念だった英語ディスカッション・フィードバックもAsian BPの時のフィードバックの音源や、としさん井戸さんの助言をを参考に手探りでやりましたが楽しかったです。また、日本とも見るところは結構似ていたりし、SFではTateと少し異なるDecisionだったのですがユニークネスや具体化という観点から特定のチームの優越性を説明したところ、他のパネルも同意見でTateが自分のDecisionを変更したこともあったのは印象的でした。ジャッジでいくのは相当面白いなと思い、今後もジャッジ参加を検討したいし周りにも薦めていきたいなと思いました。(ということで、ベルリンにはジャッジでいきます 笑)

そして、ACと飲んだり雑談したりという時間は本当に貴重なものでした。僕からすると本当に神様みたいな存在の人たちなわけで、そんな豪華なAC陣と数日間一緒にすごせたことは本当に楽しかったです。Tateは結構冗談をどんどん飛ばすし、Sharmilaはすごく真剣に人の話を聞いてくれるし、Zheng Boは実はすっごくしゃべってくれるし・・・などなどなど。HKDOがもっと長ければいいのに、もっと続けばいいのにと切に思いました。

さて、楽しかったーというだけで終わるのもどうかとは思うのでもう少し書こうと思います。何日も考えたのですが、今回のHKDOは刺激をうけまくってやばいというありきたりな結論に落ち着いてしまいました。
得るものが多い3日間で、本当にDCAをやってよかったと思います。次呼ばれる機会があるかは分かりませんが、次いつ呼ばれてもいいように普段から社会問題に対するアンテナを張ったりだとか、もっと教養や思考力を身につけたりだとか..
さらにジャッジを練習したりだとかしなくちゃなと思いました。少しでも憧れの存在に近づけるように頑張ろうと思ったHKDOでした。


さて、だいぶ長くなってしまったのでそろそろ筆を置きたいと思います。最後になりましたが、大会中お世話になった日本勢の皆様や、このような機会を与えてくれたLokeをはじめとするACの皆様にお礼申し上げます。

しっかりとCA陣に溶け込んでいらっしゃいますね!
本当におつかれさまでした!!
 

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