Umeko Cup 2018 感想文by Ishizaka, Matsuo, Inoue〜灘くんから感想をもらい損ねたブロ担の感情を100文字で述べよ〜
こんばんは、更新ラッシュを迎えている有田です!
今回は梅子杯の感想文を石坂さん、松尾さん、井上さんに書いていただきました!
三人の感想を上記の順番で掲載します、それではどうぞ!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【その1 石坂さん】
こんにちは。⼀年の⽯坂です。梅⼦杯での経験に関して語らせていただいきます。わかりに
くい部分が所々あるかもしれませんが、温かい⽬で読んでいただけると幸いです。
1.⼤会前
⾃分がトライアウトを通過したことを知った時、⾮常に複雑な気持ちになりました。少
しずつ実⼒が⾝についてきたんだなあと実感し、嬉しかった⼀⽅、「私が梅⼦杯に出場してもいいのかな・・・?」という不安もありました。というのも、トライアウトでは偶然マターの知っているモーションが2つも出てきたため、⾃分がスピーチにおいて最も苦⼿であるアーギュメント作りをせずにスピーチをすることができたのです。そのため、本当に⾃分の実⼒で通過したと⾔えるのか、ただの偶然ではないか、という不安は抱えていました。しかし、それでもせっかくの機会だから梅⼦杯に出たいという思いも強く、出場を決⼼しました。
通過した4⼈でチームを決め、私はもえぎちゃんと組むことになりました。もえぎちゃんとは奇跡的に⾼校1年⽣の時にアカデの全国⼤会で当たったことがあり、このペアリングはなんかしらの運命なんだろうなあ、⼈⽣って変なことが起きるものだなあと実感させられました。それはさておき、⽯坂・もえぎペア、ふみな・灘ペアというチーム分けにり早速練習に⼊りました。梅⼦に向けて初めてNA の試合をした時、強く⼾惑いました。というのも、梅⼦杯はBPシーズンの途中にあり、私は完全にBP と恋に落ち熱中していたため、いきなりNA モードに頭を切り替えることができませんでした。コンテクストやキャラクタイゼーションを詰めるなどしてディベートへの貢献度で勝っていくBP とは違って、NA は完全に内容勝負、しかも1チームしか勝てないからハイリスクです。NA の試合をしていることを変に意識しすぎた結果、コンストがだんだん破茶滅茶になっていき、またリプライの仕⽅もわからなくなっていきました。試合で勝っても負けても納得のいくスピーチをすることができなくなり、ハームを⼈に落とす、Engage する、コンパリするなどの基本的なこともできなくなりました。このように、紅葉杯が終わりNA 練習に⼊った途端、私はスランプに陥りました。
そのまま、先輩⽅や他の1年⽣の⼿を借りながら空きコマでラウンド練やプレパ練をするなどして、もえぎちゃんと地道に練習を続けました。アーギュメントの⽅向性が⼤きくずれたり、パートナーとの情報共有ができていなかったり、プリンシプルが雑だったりて、⼤会本番までに修正しないといけないことが多すぎて焦燥感にかられる毎⽇でした。しかし、それでも戦略的に考えてスピーチを考えられるようになったり、パートナーとの役分担が成⽴しプレパがスムーズに進むようになったりして、少しずつNA への苦⼿意識を解消しスピーチの質を上げていくことができるようになりました。
そして、いよいよ本番を迎えることになりました。
2.梅⼦杯本番
1試合⽬に、THW ban the consumption of meat が出て、⼤喜びでした。Animal rightsのプリンシプルの⽴て⽅を勉強してきていてマターがわかっていたので、⾮常にやりやすかったです。スピーカーポイントを低くつけられましたが、個⼈的には私ももえぎちゃんも良質なスピーチができたと思っています。
2試合⽬で、⼤いに失敗しました。あまりにも多くのアクターを守りに⾏こうとした、現
状との差異化をしなかった、コンパリをしなかったという単純なミスで負けてしまい、⾮常に悔しかったです。⼒が出しきれなくて負けることが⼀番悔しいなあ、と実感しまた。試合での反省をパートナーと⼀緒に踏まえ、初⼼に戻ってディベートをやろうということをお互いに決⼼しました。
初⼼に戻ったことが良かったのか、それ以降の試合ではスピーチもチームワークも順調でした。不思議なことに、2試合⽬で負けて初めてNA のスピーチってBP とそれほど変わらないなあと実感しました。それまでは、そのことを頭の中ではわかっていたものの、実際に感覚としてはNA とBP のファーストスピーカーは違うという意識を強くしていました。確かに違うところもあるが、基本的にやらないといけないことは⼀緒だと実感できたら、あんまり緊張することなく楽しくディベートできるようになってきました。「失敗が成功のもと」という⾔葉はもっともだなあと感じました。
Semi-finals で敗退し、優勝は逃したもの、梅⼦杯を通して確実に実⼒は⾝につきました。それまでは、綺麗でメカニズムの詰めてあるスピーチをすることにこだわる癖がありましたが、梅⼦杯に向けた練習を通してより戦略的にディベートをするようになりました。相⼿の⾔うことを予測した上でモデル、プレリバ、ファーストとセカンドの役割分担を考えることで、より効率的にプレパ時間を使いアーギュメントを強化することができるようになりました。基本的なことではあるものの、梅⼦杯でそれがいかに勝ち負けを分けるものであるかを実感しました。
梅⼦杯に向けた練習は本当に⼤変でした。⾃分で納得のいくスピーチができず、焦燥感とプレッシャーに追われる毎⽇でしたが、いま振り返ると貴重な経験だったなあと思います。
⼈って、窮地に追い込まれたほうが成⻑するものなのですね。
梅⼦杯までの練習でジャッジやレクチャーをしてくださった先輩⽅、また⼀緒に梅⼦杯に向けて頑張ってくれたもえぎちゃん、ふみ灘チーム、スウィングの2⼈に感謝しています。皆様の応援と指導のおかげで梅⼦杯に臨むことができました。本当にありがとうございました。
まだまだディベート⼈⽣はこれからなので、ここで得た教訓を⽣かして頑張っていきたいと思います。ディベートが好きだといくら苦しくても頑張れるし、いい仲間がいると負けたラウンドも楽しめます。ディベートを好きになり、いい仲間をぜひ⾒つけてください。⼈⽣がずっと⾯⽩いものになりますよ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【その2 松尾さんの場合】
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【その3 井上さんの場合】
梅子杯を終えて
梅子杯のドラマチックさは鷹の台駅から始まるーーー。
スーツを着た人達が朝早い電車を降りてカツカツ歩いているのを見ると、ついに来たなぁ、梅子の日、とひしひしと感じる。
ORで目の前の津田塾大生が先輩から手紙つきのお菓子をもらっている。大学、背負ってるなぁ。
オープニングセレモニーの感動的なムービーについ涙してしまう。笑いあり、涙あり、「ディベートにラブソングを」。とてもドラマチック。
そして、大体1ヶ月の毎日ディベートは2日目の1試合目であっけなく終わった。
あっけなかった。
負けて泣く自分も、勝って泣く自分も、いろんな自分を想像していた私だったが、泣かなかったものだった。
正直、1試合突破は確実だと思って前日も寝ていたし、2試合目は強敵だな、と朝も考えていたし、前日の順位的にも6位と11位だったし。
つまり、意外だった。
それで、涙よりも愚痴がたくさん出てきた。
まず、パートナーに文句を言い、ジャッジに文句を言い、そして、ディベートそのものに文句を言った。
そのまま、勝ち進んでいたもえぎと果南ちゃんの応援に行く。
2人の話は、聞き取りやすく、分かりやすく、かっこいい。すごい。
私の話は、聞き取りにくく、分かりにくく、上がり症で、順番がぐだぐだで、どこからが反論か自分でも不明瞭で、発音が酷くて、顔を上げなくて、同じことを5回言って、具体と抽象が彷徨って、耳を当てれないものだった。のだろう。
でも、何回も言わないとリフレクで言われるんです。explicitしようね、って。
いや、全く同じwordingで言ったんだけどなぁ、さっき。
ってことで同じこと何回も言うんです。
でも制限時間は7分。このイラスト時間かけて説明しなきゃだったよね、というリフレクもあり、でも、だって、でも。
前に立ったら何も出てこない。紙に書いてあることを読むことしか、できない。
頭の中にはもっともっと言うことあったのになぁ、英語じゃなければなぁ、プレリバもできたなぁ、リバッタルももっと強く刺せたなぁ、今の5倍は多角的に、端的に、話せたのになぁ。
TOFELの勉強しよう。って強く思っていた。全部全部英語力のせいだ。
プレパの半分を原稿書くのに使うのも、自分の言うこと脳内翻訳してたら相手の話聞きそびれるのも、ジャッジが大切なとこメモしてくれないのも、全部英語力のせいだ。
だって、純ジャパだから。
と思っていた。
違った。
KDSにも、ICUにも、すごすぎるディベーターがいて、彼らはグラファイでマイクを持って、スーツで、かっこよくて、そのうちの2人は純ジャパだった。
高校の時から積み上げてきたディベート力。その火力は試合の最後まで観客を惹きつけて離さない。その圧倒的な輝きが、へなちょこディベーターには眩しくて眩しくて、あの火炎放射の火の粉が若造ディベーターの心にも火をつけてくれた。
まだまだ終わりじゃない。
私の物語はここから始める。
始めるためのきっかけを見つけさせてくれた、灘くん、ありがとう。君もまた1つ、僕らの星だと思う。
今回は梅子杯の感想文を石坂さん、松尾さん、井上さんに書いていただきました!
三人の感想を上記の順番で掲載します、それではどうぞ!
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【その1 石坂さん】
こんにちは。⼀年の⽯坂です。梅⼦杯での経験に関して語らせていただいきます。わかりに
くい部分が所々あるかもしれませんが、温かい⽬で読んでいただけると幸いです。
1.⼤会前
⾃分がトライアウトを通過したことを知った時、⾮常に複雑な気持ちになりました。少
しずつ実⼒が⾝についてきたんだなあと実感し、嬉しかった⼀⽅、「私が梅⼦杯に出場してもいいのかな・・・?」という不安もありました。というのも、トライアウトでは偶然マターの知っているモーションが2つも出てきたため、⾃分がスピーチにおいて最も苦⼿であるアーギュメント作りをせずにスピーチをすることができたのです。そのため、本当に⾃分の実⼒で通過したと⾔えるのか、ただの偶然ではないか、という不安は抱えていました。しかし、それでもせっかくの機会だから梅⼦杯に出たいという思いも強く、出場を決⼼しました。
通過した4⼈でチームを決め、私はもえぎちゃんと組むことになりました。もえぎちゃんとは奇跡的に⾼校1年⽣の時にアカデの全国⼤会で当たったことがあり、このペアリングはなんかしらの運命なんだろうなあ、⼈⽣って変なことが起きるものだなあと実感させられました。それはさておき、⽯坂・もえぎペア、ふみな・灘ペアというチーム分けにり早速練習に⼊りました。梅⼦に向けて初めてNA の試合をした時、強く⼾惑いました。というのも、梅⼦杯はBPシーズンの途中にあり、私は完全にBP と恋に落ち熱中していたため、いきなりNA モードに頭を切り替えることができませんでした。コンテクストやキャラクタイゼーションを詰めるなどしてディベートへの貢献度で勝っていくBP とは違って、NA は完全に内容勝負、しかも1チームしか勝てないからハイリスクです。NA の試合をしていることを変に意識しすぎた結果、コンストがだんだん破茶滅茶になっていき、またリプライの仕⽅もわからなくなっていきました。試合で勝っても負けても納得のいくスピーチをすることができなくなり、ハームを⼈に落とす、Engage する、コンパリするなどの基本的なこともできなくなりました。このように、紅葉杯が終わりNA 練習に⼊った途端、私はスランプに陥りました。
そのまま、先輩⽅や他の1年⽣の⼿を借りながら空きコマでラウンド練やプレパ練をするなどして、もえぎちゃんと地道に練習を続けました。アーギュメントの⽅向性が⼤きくずれたり、パートナーとの情報共有ができていなかったり、プリンシプルが雑だったりて、⼤会本番までに修正しないといけないことが多すぎて焦燥感にかられる毎⽇でした。しかし、それでも戦略的に考えてスピーチを考えられるようになったり、パートナーとの役分担が成⽴しプレパがスムーズに進むようになったりして、少しずつNA への苦⼿意識を解消しスピーチの質を上げていくことができるようになりました。
そして、いよいよ本番を迎えることになりました。
2.梅⼦杯本番
1試合⽬に、THW ban the consumption of meat が出て、⼤喜びでした。Animal rightsのプリンシプルの⽴て⽅を勉強してきていてマターがわかっていたので、⾮常にやりやすかったです。スピーカーポイントを低くつけられましたが、個⼈的には私ももえぎちゃんも良質なスピーチができたと思っています。
2試合⽬で、⼤いに失敗しました。あまりにも多くのアクターを守りに⾏こうとした、現
状との差異化をしなかった、コンパリをしなかったという単純なミスで負けてしまい、⾮常に悔しかったです。⼒が出しきれなくて負けることが⼀番悔しいなあ、と実感しまた。試合での反省をパートナーと⼀緒に踏まえ、初⼼に戻ってディベートをやろうということをお互いに決⼼しました。
初⼼に戻ったことが良かったのか、それ以降の試合ではスピーチもチームワークも順調でした。不思議なことに、2試合⽬で負けて初めてNA のスピーチってBP とそれほど変わらないなあと実感しました。それまでは、そのことを頭の中ではわかっていたものの、実際に感覚としてはNA とBP のファーストスピーカーは違うという意識を強くしていました。確かに違うところもあるが、基本的にやらないといけないことは⼀緒だと実感できたら、あんまり緊張することなく楽しくディベートできるようになってきました。「失敗が成功のもと」という⾔葉はもっともだなあと感じました。
Semi-finals で敗退し、優勝は逃したもの、梅⼦杯を通して確実に実⼒は⾝につきました。それまでは、綺麗でメカニズムの詰めてあるスピーチをすることにこだわる癖がありましたが、梅⼦杯に向けた練習を通してより戦略的にディベートをするようになりました。相⼿の⾔うことを予測した上でモデル、プレリバ、ファーストとセカンドの役割分担を考えることで、より効率的にプレパ時間を使いアーギュメントを強化することができるようになりました。基本的なことではあるものの、梅⼦杯でそれがいかに勝ち負けを分けるものであるかを実感しました。
梅⼦杯に向けた練習は本当に⼤変でした。⾃分で納得のいくスピーチができず、焦燥感とプレッシャーに追われる毎⽇でしたが、いま振り返ると貴重な経験だったなあと思います。
⼈って、窮地に追い込まれたほうが成⻑するものなのですね。
梅⼦杯までの練習でジャッジやレクチャーをしてくださった先輩⽅、また⼀緒に梅⼦杯に向けて頑張ってくれたもえぎちゃん、ふみ灘チーム、スウィングの2⼈に感謝しています。皆様の応援と指導のおかげで梅⼦杯に臨むことができました。本当にありがとうございました。
まだまだディベート⼈⽣はこれからなので、ここで得た教訓を⽣かして頑張っていきたいと思います。ディベートが好きだといくら苦しくても頑張れるし、いい仲間がいると負けたラウンドも楽しめます。ディベートを好きになり、いい仲間をぜひ⾒つけてください。⼈⽣がずっと⾯⽩いものになりますよ。
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【その2 松尾さんの場合】
こんにちは。一年生の松尾です。梅子杯が終わってからはや半月が経ちました。先日の総会では恥ずかしくて言えなかったんですが、私は夏休みの宿題をためるタイプです。というかexternal pressureがなければ提出しないタイプです。
果南ちゃんと組むのは成蹊Joint以来で、オーディション後からずっと楽しみにしてたし練習のときも毎回ディベートがすごく楽しかったです。畏れ多い限りですが相性がいいなあと思ってます。果南ちゃんにもそう思ってもらえていたら嬉しいです。なんだか公開告白みたいになってしまいました。提出がアホみたいに遅れてるくせに私は何をしているのでしょうか。
ブログを書くのは初めてなので形式がわかりません。みなさん文才を光らせながらフリーダムに書いてらっしゃるのでしょう。ですが私にはそんなウィットもオリジナリティもないので、おとなしくラウンドごとに所感を述べていきたいと思います。とても長くなりそうですね。ジャッジにもよくrepetitiveだとかもっと簡潔に言えとか言われます。
ではさっそくR1: THW ban consumption of meat (GOV)。
モーションリリースのとき「マジか詰んだワロタ」と思って、そう言おうと隣にいる果南ちゃんを振り向いたら彼女はガッツポーズをしていました。何事?!聞けば彼女はこのモーションでGOVになった時に備えて事前に入念なリサーチをしていたそうな。鬼に金棒とはこのことですね。実際全部マターもらいました。ありがとう。
自分の名誉のために申し上げますと、私もちゃんとプラとか考えました。でもやっぱりプリをめっちゃ詰めてくれてたおかげで安心してスピーチできた感じはありましたね。社会に特に貢献してない生き物にも権利はあるなんて、パッと聞いただけだと全然意味がわからないですが、「赤ちゃんも貢献してないけど権利あるじゃん」とか言われたらまあそうですねとしか言いようがなくないですか?まあ将来性とかに投資してるんでしょうけど!実際には赤ちゃんは動物と同列ではないんでしょうけど!
このモーションは、「絶対GOV(あるいはOPP)やりたくないからOPP(あるいはGOV)にアロケされて喜んだけど、いざプレパを始めたらこっち何も言うことなかった」パターンの典型だと思います。結構昔から思ってます。だって「おにくおいしい」しか言うことが見つからないって心細いじゃないですか。リフレクのときにジャッジも「OPPは食文化の重要性とか豊かな生活の重要性を推す」みたいなことをおっしゃってましたが心細いって。もちろんGOVもOPPもやろうと思えばどこまででも詰められるのでしょうが、権利だとか動物がかわいそうだとかそういうそれっぽい話がプレパ時点で想定されるのに対してほんとに「おにくおいしい」で「よし絶対勝てる」って思えるのでしょうか?思えるようになりたいですね。
このラウンドは勝ちました。でもスピーカースコアは低かったです。そんな?って思うくらい低かったです。反論が少なくて必然的にエンゲージが浅かったからでしょう。相手の話のどこがこっちのケースと噛み合ってるのかちゃんと理解できませんでした。そうなるとリバッタルも表面的なものしか打てなくなっちゃいます。このことがR1の一番の反省点でした。
続いてR2: THR the dominant narrative that it’ taboo to talk about “sexual related things” (including sexual preference, sexual experience, sexuality etc. ) openly in public (OPP)。
OPPかぁ…って感じでした。自分自身の考えと正反対のポジションを取らされるのはやはりしんどいです。それがディベートの醍醐味でもありますが!とりあえず「実際はセクハラまがいのことをおおっぴらに言う人が多くなるだけでは?しかも性的マジョリティが自分のセックス観をあからさまに人に押し付けてマイノリティをむしろ迫害するだけでは?」という風にアーギュメントを立ててみました。けれどもどちらもパラダイムのイラストが追いつきませんでした。ジャッジにはexclusivityがわからない、extentもわからない、頼むからコンパリしてくれと言われました。たしかにわからなかったしコンパリもできなかった自覚はありました。わからないせいで暴走して、妙なイラストをやたらくっつけました。くっつければくっつけるほどジャッジの顔色が暗くなっていくのがとてもつらかったです。ラウンドが終わってから果南ちゃんと「勝っても負けても嬉しくないね」と話してました。梅子杯に来てまでこんな感想は抱きたくないなあと思いました。そして負けたら負けたで普通に悔しかったです。試合は勝ったが勝ちですね。サイレントのR4でボコられてメンブレするよりマシだ、これは戦略的撤退にすぎないと自分に言い聞かせて気持ちを落ち着けていました。
頭を切り替えてR3: THBT we should stop teaching children that their parents always act for the sake of children (GOV)。
普段私たちはプレパ中にあまり話さないというか、大枠だけ情報共有して細かいところはそれぞれで詰めてたんですが、R2で方針をつかめないまま勢い任せでディベートして爆死した自覚があったので、このラウンドはいつもより丁寧にプレパしました。
私は基本的に自分で何か思いつくということができない人間で、どちらかというと誰かのアイデアをどんどん膨らませていく方がまだできるんですが、このラウンドはそれがはっきりと弱点として表れました。相手のケースがよくわからず、したがって反論もうまく打てず、コンパリもできず、困ったのでPMのケースをもっと細かく詰めてみようとしました。NAなのにそんなまどろっこしいことをやる意味とは??
「相手の前提となる話を切れ」というアドバイスをよくもらいます。よくわかります。効率の良い反論、総括的かつ多角的なエンゲージ、私もしたいです。でも前提って何でしょう?相手はそのアーギュメントを立てて何を達成したいんでしょうか?首をひねっている間にだいたい相手のスピーチが終わっていた、というのが梅子杯の全体的な感覚でした。練習のときは相手のケースを考えてプレリバを重層的に考えるとかもしていたのにどうしちゃったのでしょうか?これがR3の反省点でした。
オーバーヒートした脳をひっさげてやっとR4: THW prohibit art which glorify suicide (OPP)。
これがいちばんうまくいったラウンドじゃないでしょうか。アートの効果についてもsuicidal peopleについても幅広く分析し、ちゃんとオルタナを示してパラダイムごとの比較に持っていくこともできました。あまり落ち込まないで済んだラウンドでした。体力がないので疲れて記憶が曖昧なのと、その場でフィードバックが聞けなかったせいで、他にはあまり何も覚えてないです。最後は気持ちよく終われてよかったなと思いました。
こうして一日目が終わりました。ブレイクは4位でした。絶起への恐怖に怯えながら就寝。
希望の起床を果たしたものの電車を逃し、レジ落ちするのではとハラハラしながら何とか津田塾大学の門をくぐりました。レジの時間ありえなくないですか?僻地民に配慮が足りなくないですか?
息つく間もなくOF: THBT developing countries should adopt economic development policies that limit the migration of people into rapidly developing urban areas (GOV)。
プレパもディベートもつつがなく終了しました。モデルをしっかり組み立てたおかげで世界観というか物事の展開を見失うこともなかったです。貧しい人々のインセンティブについて結構クラッシュしましたが、「貧しいから自動的に都市に行きたくなるのではなく、お金を稼げると期待するから都市に行く」と分析したのが効いたかなと思います。田舎にお金を回すモデルを立てれば人々を田舎にとどめることのハームも減らせるし固いケースでした。ちゃんとコンテクストが見えていれば経済モーションも思うほど難しくないんでしょうかね。果南ちゃんありがとう。あなたが経済の授業をちゃんと聞いてくれていたおかげです。
個人リフレクではオーガニゼーションに問題があると指摘されました。それはそう。この前プレパの紙をよく見たらなんとサインポストを書いてませんでした。何年ディベートをやってるんでしょうか。コンストもリバッタルも含めたスピーチを整理することとクラッシュを探してコンパリを組み立てることはだいたい同じプロセスではと思わなくもないので、自分の弱点を新たな視点から指摘されたような気持ちでした。でも、この指摘をしてくださったジャッジが銀杏杯で私が出たQFでもジャッジしてくださった方で、そのときも上手いと思ったしそのときからさらに上手くなっていると言っていただいたので、私の自己肯定感は急上昇しました。はい、褒められて伸びるタイプです。
続いてQF: THW deprioritize organ transplants to those who have led unhealthy lifestyles (OPP)。
数日前の駒場練でほぼ同じモーションをやっていました。モーションリリースの瞬間の無敵感が半端なかったです。練習ではKDSのチームに負けましたが、なんとその後にマターとか想定すべきキャラとかを平本さんにいろいろ教えていただいていたのです!もう全部転用しました。平本さんありがとうございました。見に来てくれていたUTの人たちもありがとうございました。心強かったです。
このラウンドの相手は阪大だったんですが、PMが秋T前の阪大練に参加したときにちょっと仲良くなった女の子だったのでちょっとテンションが上がりました。テンションが上がったまま「久しぶり!」と声をかけると、彼女の顔を「…?」みたいな表情が一瞬よぎりました。困らせてすみません。
いよいよSF: THBT prominent civil society activists should choose not to run for public office (GOV)。
Civil society activistsの目標は何だ?と考えるところから始めました。こういうふうにキャラの目標や性格を考える系のモーションは最初にやるべきことが明らかなので好きです。好きとは言いましたが得意とは言っていません。事実、結局はっきりとはまとまりませんでした。政治闘争や駆け引きに巻き込まれるとa) モラハイがとれなくなる、b) 支持層も割れる、と分析したのですが、そもそもモラハイとは何なんだと言われて言葉につまりました。なんとなく活動家って正義の味方って感じがしますよね?弱者を守り悪者に果敢に立ち向かうって感じがしますよね?そのフィーリングだったんです。でも「そのフィーリングなんです!」と言ってわかってもらえるならディベートじゃないですからね。いつも肝に銘じていることの一つに、「ディベートは直感をいかに論理的に説明できるかが大切」というやつがあるんですけれども、このラウンドではそれを特に痛感しました。あとDLO怖かったです。顔が引き攣りました。
SFで負けてしまったので涙をのんでGF: TH opposes organized religion。一人でジャッジごっこをしてました。さすがgrand finalistたち、かっこいい。ひたすらかっこいいです。重層的というか、one rebuttal for one argumentじゃないのが改めてすごいなあと思いました。たしか自分もR3あたりで「自分が打ってる反論が相手のアーギュメントをどのレベルで切ろうとしてるのかを意識した方がいい」というアドバイスをいただいたんですよね。理屈ではわかっても実践するのはまた別の話ですから頭を抱えていたのですが、それがこういうことか…という感動でした。
ジャッジごっこでは私はGOVに入れたのですが、結果はOPPの勝ちでした。おめでとうございます!!
今ソニア=ソトマイヨールの自伝を読んでいるのですが、彼女は高校で即興ディベートやスピーチなどをやっていたそうです。そこで培ったスキルがのちに判事としても役に立つことになったと書いてありました。ちょっと希望を持ってしまいますね。私も五十年後くらいに自伝出すことになったら、UTDSと日本のディベート界のみなさんに感謝の言葉を認めたいと思います。ですがまずはブログで練習ということで…梅子杯OrgCommのみなさん、対戦やジャッジをしてくれた方々、選抜やコーチングなどさまざまな形で力を貸してくださったUTDSの先輩方、そして一緒に出た同期のみんな。みなさんのおかげでディベートができたし、みなさんのおかげで梅子杯に出られました。みなさんのおかげで前を向いていようと思えます。ありがとうございました!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【その3 井上さんの場合】
梅子杯を終えて
梅子杯のドラマチックさは鷹の台駅から始まるーーー。
スーツを着た人達が朝早い電車を降りてカツカツ歩いているのを見ると、ついに来たなぁ、梅子の日、とひしひしと感じる。
ORで目の前の津田塾大生が先輩から手紙つきのお菓子をもらっている。大学、背負ってるなぁ。
オープニングセレモニーの感動的なムービーについ涙してしまう。笑いあり、涙あり、「ディベートにラブソングを」。とてもドラマチック。
そして、大体1ヶ月の毎日ディベートは2日目の1試合目であっけなく終わった。
あっけなかった。
負けて泣く自分も、勝って泣く自分も、いろんな自分を想像していた私だったが、泣かなかったものだった。
正直、1試合突破は確実だと思って前日も寝ていたし、2試合目は強敵だな、と朝も考えていたし、前日の順位的にも6位と11位だったし。
つまり、意外だった。
それで、涙よりも愚痴がたくさん出てきた。
まず、パートナーに文句を言い、ジャッジに文句を言い、そして、ディベートそのものに文句を言った。
そのまま、勝ち進んでいたもえぎと果南ちゃんの応援に行く。
2人の話は、聞き取りやすく、分かりやすく、かっこいい。すごい。
私の話は、聞き取りにくく、分かりにくく、上がり症で、順番がぐだぐだで、どこからが反論か自分でも不明瞭で、発音が酷くて、顔を上げなくて、同じことを5回言って、具体と抽象が彷徨って、耳を当てれないものだった。のだろう。
でも、何回も言わないとリフレクで言われるんです。explicitしようね、って。
いや、全く同じwordingで言ったんだけどなぁ、さっき。
ってことで同じこと何回も言うんです。
でも制限時間は7分。このイラスト時間かけて説明しなきゃだったよね、というリフレクもあり、でも、だって、でも。
前に立ったら何も出てこない。紙に書いてあることを読むことしか、できない。
頭の中にはもっともっと言うことあったのになぁ、英語じゃなければなぁ、プレリバもできたなぁ、リバッタルももっと強く刺せたなぁ、今の5倍は多角的に、端的に、話せたのになぁ。
TOFELの勉強しよう。って強く思っていた。全部全部英語力のせいだ。
プレパの半分を原稿書くのに使うのも、自分の言うこと脳内翻訳してたら相手の話聞きそびれるのも、ジャッジが大切なとこメモしてくれないのも、全部英語力のせいだ。
だって、純ジャパだから。
と思っていた。
違った。
KDSにも、ICUにも、すごすぎるディベーターがいて、彼らはグラファイでマイクを持って、スーツで、かっこよくて、そのうちの2人は純ジャパだった。
高校の時から積み上げてきたディベート力。その火力は試合の最後まで観客を惹きつけて離さない。その圧倒的な輝きが、へなちょこディベーターには眩しくて眩しくて、あの火炎放射の火の粉が若造ディベーターの心にも火をつけてくれた。
まだまだ終わりじゃない。
私の物語はここから始める。
始めるためのきっかけを見つけさせてくれた、灘くん、ありがとう。君もまた1つ、僕らの星だと思う。
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