紅葉杯感想①

 
今日は紅葉杯の記事です!

 一年の下松です。今回会長先輩からブログを書かないかとのお誘いをいただき、エリザベス杯以来二度目の投稿をさせていただきます。拙い文章ではありますが、最後までお付き合いいただけたら幸いです。
 
 私にとって、今回の紅葉杯はとても思い入れが深い大会でした。というのも、八月の銀杏杯でもブレイクできず、十月の梅子杯トライアウトでも一次予選落ちと惨憺たる結果が続いていたのです。練習でも思い描いたようなかっこいいスピーチはできず、日に日に開く仲間との差に焦りを感じていました。「毎回必ず練習に行ってるのに、自主練にだって行ってるのに、なんで?」そうした思いが募る中、紅葉杯では何としてもブレイクして、名誉挽回したいと思うようになりました。

 チーミングが発表され、ペアは梅子杯代表にもなっている戸塚に。また、ロールとしては初めてメンバーをやることになりました。「うまい人がペアだからこそ足を引っ張るわけにはいかない」という気持ちとは裏腹に、練習でもなかなか結果はついてきませんでした。「何がいけないんだろう、どうしてうまくいかないんだろう」というもやもやした気持ちが常に残りました。そんな気持ちを解消してくださったのが、二人の先輩方のアドバイスでした。
 
  一人はある練習会でラウンドを見ていただいた、加藤先輩。先輩がおっしゃった言葉は私の胸に強く響きました。「一番大切なのは練習でやったことを復習すること。新しいことを学ぶのもすごく大事だけど、その日の練習でやったmotionで、他にどんなことが言えたのか、どういえばもっと分かりやすく、カッコよく言えたのかを考えて、次同じmotionが出たら絶対に負けない、ってくらいの意志を持ってやれば、変わると思う。」
 
  そして、もう一人、OBOG会でたまたま向い合せに座ってお話を聞かせていただいた、井戸先輩。「ちょうどこの時期って、たくさんテクニックとかいろんな知識とか学んで、難しく考えすぎちゃう時期かもしれない。でも、一番基本的なことは忘れないで。なんでこのmotionをとるのか、とったら何が変わるのかをしっかりイメージすること。そうすれば、何を言わなければならないのかはおのずと見えてくると思う。」
 

 このお二人の言葉に、私はハッとしました。回を重ねることにばかり捉われ、同じ失敗を繰り返す自分。難しいことに挑戦しようとして、最も基礎的な部分がおざなりになっている自分。そうした自分に今まで気付けなかった愚かさに恥じ入るとともに、何とか改善していこうと決心し、少しずつではありますが、自分の中の何かが変わったように思います。

 そして、紅葉杯当日。京都への遠征で、少し興奮してしまうのではと危惧していましたが、予想以上に落ち着いていました。(部長さんに元気がないのかと勘違いされるほどでした。笑)1R目は一度やったことのあるmotionだったため、かなり自分でも納得のいくスピーチができ、2R3Rも快調に勝ち進めていきました。しかし、4R目で、相手の重要なポイントにrefuteし忘れるという重大なミスを犯してしまい、「負けたかもしれない、これでブレイクできなかったらどうしよう」という不安でいっぱいになりながらホテルに戻りました。佐野先輩から「最後の試合が気になるかもしれないけど、いまanxiety感じても結果が変わるわけじゃないから、今日は早めに休んで、明日がんばれ」というメールでのメッセージをいただき、だいぶ気を持ちなおして眠りにつくことができました。
 
 
  そして、翌朝。Break Announcementが始まるまでの時間は異常なほど長く感じられました。1位から順にコールされていき、そして、3位ブレイクはUTB!! ついに念願のブレイクを達成!! 自分のチームが呼ばれたときはほんとにうれしくて、涙が出そうなくらいでした。
 

 本番はこれからと気を引き締めて臨んだOFOpp有利のmotionで、Oppだったため、運よくQFに進めました。QFはお互いにengageしきれず、ラウンド全体がぐちゃぐちゃになった感は否めませんでした。どちらが勝つかはジャッジしだい。焦りと不安と緊張でそわそわしながら結果を待ちました。結果は…何とか勝利! SFに進むことができました。しかし、いっしょにブレイクしたUT4チームのうち、2チームがQFで敗退。一緒に頑張ってきた同期の涙を目にしました。
 
 「絶対に勝ってGFまで進んで」という仲間の思いを背負ってのSF。しかし、大事な大事なこの試合で、motionの意味の取り違えという痛すぎるミスを犯してしまいました。また、メンバーであるにもかかわらずパートナーの意見を補強しきれず、「ジャッジの立場からの疑問」に答えきれませんでした。そして、SF敗退。43split voteであったからこそ、悔しさは募りました。もう少し、私が分かりやすくrefuteしていれば、もう少しLeaderの時点で出ていた重要な議論を深められていれば、きちんとcompareできていれば… そうした思いが込み上げてきて、涙が止まりませんでした。

 
いぶんと長々と書いてしまいましたが、私がこの紅葉杯を通じて感じたのは、大会って結果ではなくてその過程なんだな、ということです。一つの大会を目指していく過程で何を学ぶのかで、今後の自分が変わるんだ、ということを身を持って実感できたのは大きな収穫だったと思います。「Semi-Finalist」。たしかに、以前の私にとっては、憧れであり、目標でもあった素晴らしい賞です。でも、今の私が感じているのは、Semi-Finalistになった喜びあるいはGrand Finalに進めなかった悔しさよりも、紅葉杯でのブレイクを目指していく過程の中で多くのことを学べた喜びです。このような素敵な経験をさせていただいたことに感謝したいと思います。
 
 この経験は決して私一人でできるものではありませんでした。何度も熱く議論を交わしあい、圧倒的なスピーチ力で引っ張ってくれた、パートナーの戸塚。一緒に練習してくれた同期のみんな。私のディベートに対する考え方を変えてくださった加藤先輩、井戸先輩。メールを通じて励ましてくださった、佐野先輩。京都まで来てくださり、試合の前に、「落ち着いてやれば大丈夫だよ」と声をかけてくださった部長さん。落ち込む私を励ましてくださったハナ先輩。毎回私たちのテンションを上げてくださり、また丁寧なリフレクを下さった会長さん。練習会のたびにたくさんのアドバイスを下さった先輩方。そして、紅葉杯を開催するために尽力してくださった方々。こうしたすべての方々のおかげです。本当にありがとうございました!!

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